平沢真一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生100年時代と言われる一方で、役職定年や定年退職という言葉には、どこか「終わり」の響きがあります。私自身も、キャリアの後半戦をどう生きるかを考える機会が増えた中で、この本に出会いました。
本書で紹介されるのは、「シニアエグゼクティブ」と呼ばれる経験豊富な人たちです。著者の平沢真一さんは、彼らを労働力不足を補う存在としてではなく、企業や社会に新しい価値をもたらす「眠れる人材の宝庫」として描いています。
特に印象に残ったのは、ホンダで品質管理を経験した人材がニトリで活躍する事例です。業界は違っても、「品質を見抜く目」や「組織を動かす知恵」は失われません。むしろ、異なる業界だからこそ新しい価値が生まれる。その話には大きな説得力がありました。
読んでいて感じたのは、年齢とともに価値が下がるのではなく、「経験の使い方」が変わるだけなのかもしれないということです。
若い頃は知識や体力で勝負していた人も、年齢を重ねることで、人を育てる力や全体を俯瞰する視点を手に入れる。その価値は、数字では測りにくいけれどポータブルなスキルとして確かに存在します。
一方で、本書は単なるシニア礼賛ではありません。経験を抱えたまま過去の成功体験にしがみつくのではなく、新しい環境で学び続ける姿勢の大切さも伝わってきます。
読み終えて、自分のキャリアを少し前向きに捉えられるようになりました。
定年を「引退」と考える人にも、「第二の挑戦」と考えたい人にもおすすめです。これからの人生で、自分の経験をどこで、誰のために使うのか。過去を未来につなげてくれる一冊でした。
人間万事塞翁が馬、捨てる神あれば拾う神あり、老いてはますます壮んなるべし、です。