キャサリン・ブルートンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ケン・ローチ監督の映画「オールド・オーク」を観てからシリア関係の本を何冊が読んでいる。この本は映画と同じイギリスに来たシリア難民の話である。
主人公のアーヤは才能豊かなバレエダンサー、アレッポでも著名なバレリーナにバレエを習っていた。そして内戦で命からがらシリアから逃げ、途中海で遭難しかかりながらイギリスに着く。ところが父親とは生き別れ、母親も体調が悪く、弟はまだ幼いという頼れる人がいない中、運良くイギリスのバレエスクールに通えることとなり、徐々にアーヤの精神も回復し、未来に向かって力強く歩き始めるという話であった。
たびたび挿入されるバレエの動作、また踊り手の精神がバレエの根幹をなすということ、バレエの先生がユダヤ人でナチの虐殺から亡命したであることなど、ストーリの中に色んな要素が盛り込まれ、厚みのある話となっており、大変良い話だった。
日本人が難民を理解するのに適した本だった。ただしアーヤがもしバレエの才能に恵まれていなかったら、物語は悪い方にしか展開しなさそうで、あくまでお話という感じは否めなかった。 -
Posted by ブクログ
すごくよくて、最後は涙をこらえながら読んだ。
たしかに、アーヤにバレエの才能があり、逃れた先でもすばらしい先生と出会い……という展開は、甘いといえば甘いのかもしれないけど、希望がないとなかなか先を読む原動力が生まれない。
でも甘いだけでなく、アーヤの今と、これまでを描くなかから、シリアでバレエ好きのふつうの少女として暮らしていたこと、ある日戦争がどんどん迫ってきて逃げ出すしかなくなったこと、過酷な逃避行とお父さん……、難民キャンプのつらさ、ひたすら希望のない待機を迫られる難民申請の理不尽さなどなど、きびしい現実も描かれていて、日本の入管などのことも頭に浮かび、つらくなる。
そして、そういったもろもろのことを外からの視点じゃなく、ある日突然「難民」にならざるを得なかったアーヤの視点から読むことができるのがいい。周囲の無理解や偏見を受ける心の痛み、失われた人や暮らしへの悲しみ、自分と家族の人生が「申請」と「審理」で決められてしまう絶望感、一縷の希望、そして自分だけがイギリスで踊り続けてもいいのかという罪悪感などがありありと伝わってくる。
かわいいバレリーナの(ちょっと日本人ぽい……というか、ヨーロッパ人ぽい?!)表紙だけど、踊る人にも踊らない人にも、男の子にも女の子にも手にとってほしい本。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまたとても心に残る児童書に出合った。
何も知らない私だけれど、難民、庇護申請、などなど、このお話で教えてもらった。
世界中で起こっている紛争、戦争、そこで生まれる「難民」
それは現在も過去にも。
シリアの少女、11才のアーヤは、病んだ母、幼い弟の世話をしながら必死でイギリスへ向かうために過ごしている。
バレエを支えにして。
シリアでの平和な暮らしと、あまりにも過酷な脱出の旅が並行して語られる。
そして、過去の難民であった大人にも出会う。
バレエの描写が美しく強く哀しかった。
たくさんの大人、子供たちにこの本が読まれますように
≪ 流されて 難民への道 先見えず ≫ -
Posted by ブクログ
ネタバレシリアの内戦により、アレッポからイギリスに避難してきた家族の話。
長女アーヤの物語。
児童文学なだけあっめ、読みやすい分かりやすい。
知ってるようで知らない難民のこと。
難民とは?庇護申請者とは?
庇護申請を出し認められて初めて難民と認定されるのは知らなかった。
勉強になった。
海を渡ってイギリスに来るまでのシーンは悲しかった。
パパとの最後のシーンはキツイ。
タイタニックを思い出してしまった。
バレエを通し友達や先生にも恵まれ、幸せになってくところがよかった。
意地悪してきた子とも仲良くなれてよかった。
英語が話せなく心身弱ってく母を支え、小さな弟の面倒をみたりと
そんな子は、たくさんいるんだろーなと思った。
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Posted by ブクログ
ネタバレやや都合の良い展開だったり、蛇足かなと思う要素もあったが、戦争から逃れて国を移動するという事がどんなに大変なことか、アーヤの心に寄り添いながら知ることが出来る。間にシリアでの出来事や移動中の回想シーンが入り、徐々に過去を思い出し向き合っていくアーヤの様子がよく伝わる。最後は、ひとりチャンスを与えられたことへの罪悪感をはねのけ、みんなのために踊るアーヤの様子に勇気をもらえる。アーヤはかなり幸運で、住むところも学校も友達もなんとかなるので、ここまできたらもう最後もパパで良かったのでは…?と思ってしまうが…。全体的には心揺り動かされてとても良かった。