母親を自死で亡くした作者が、自らの経験を元に紡いだフィクション作品。
喪失感や自責の念、関係の重さから解き放たれたときにふと生まれる安堵、そしてその感情を抱いた自分への罪悪感。
毒親や共依存の関係から距離が生まれた時、人が安堵を覚えるのは不思議ではない。
それでも、母にも子を思う気持ちが確かに存在していたことが、物語の端々から伝わってきて、胸の奥に痛みが残る。
近年、若い世代の自死も増えている。
追い詰められた時、大切な誰かの顔を思い浮かべられたら――。
あなたが生きているだけで幸せだと感じる人が必ずいるはずだから。