金子文子のレビュー一覧

  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    松本清張の『昭和史発掘』から気になり、こちらも読み始めたら、あっという間に読み進めてしまった。時代もあっただろうけれど、無籍者として制度からはじかれてしまうことに加えて、イエ制度の中ではモノのようにやり取りされているのが気の毒だった。遺書が残されていないのが残念。文子が書いたものをもっと読んでみたかった。

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    2025年11月04日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    何が彼女をこうさせたのか、
    読み進めていくうちに、
    それは親であり家族であり環境であり、
    国であり、時代であり、男であり、
    すなわち彼女の周りのすべてのように思えてくる。

    だからこそ彼女にとってかけがえのないものは、
    「自由」だったのだろう。
    それを求めてひたすら立ち向かう彼女。

    ただ、彼女自身の弱さとして、
    人からの愛に対する渇望があったと思う。

    かつて彼女は母を、
    男に頼らずには生きられないと断じていたが、
    彼女もまた、同じ欠落を抱えていたと思う。

    だから自分の生き方を探そうとするまでの文章は濃密なのだが、朴を始めとする男性とのつながりに関しては、
    どこか曖昧なものになっている気が

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    2025年09月15日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    今から100年前を生きた女性の手記。そんな昔の文章、私に読めるかしらと心配したが杞憂でした。力強い文章からは生々しい感情が伝わってきて、辛い気持ちにもなりつつ読み終えました。
    100年も昔と思ってたけれど、たった100年前はこんなに大変な時代だったのか、とその当時の生活のリアルを知り、驚きました。歴史としては知っていても、実際にどう感じてどんなふうに生活していたのかは想像が及びませんでした。この手記を書いた本人のことはもちろん、こんな大変な時代のなかでも人は生き、子供を産み育てて今の私たちに命を繋いできたんだなぁと、人の逞しさを知りました。読んでよかったです。

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    2023年12月15日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    他人の意見を鵜呑みにして、自分の思いを蔑ろにしそうになる時、つい自責の念に駆られそうなとき、金子文子さんの考え方を取り入れると、自分を大切にできると思った。

    『お前が悪い』と言ってくる人に負けて
    自分が悪いのかも
    と思いそうになる私自身に対して、
    なにを問いかければいいのか
    のヒントをもらえる本だった。

    一番感銘を受けたフレーズ
    『-子供をして自分の行為の責任を自分のみに負わせよ。自分の行為を他人に誓わせるな。それは子供から責任感を奪うことだ。卑屈にすることだ。心にも行為にも裏と表とを教えることだ。誰だって自分の行為を他に約束すべきではない。自分の行為の主体を、管理人に預けるべきではない。

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    2023年02月02日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    獄中自死で埋葬された腐乱死体の描写から始まる異色すぎる自伝(この部分は作者ではないけど)。恋人朴烈とこれから本格的というところで終わるが全て筆者である金子文子の意図によるところ。教育環境が良くないなかで鋭い分析と読み応えのある文章を23歳にして書き上げた点に驚く。4桁の掛け算を暗算でできたと本人がサラッと書いている事からも相当に知能が高い事が伺える。もし環境が良く理系方面に進めば凄い事になっていたかもしれぬ。
    横浜の寿町(ドヤ街で有名)で生を受けるも無籍扱い、無責任な親の都合で各所をたらい回し、更に父方の叔母の養女として朝鮮に行ったはずが人権を無視した下女扱い(この7年間の描写が1番長く作者の

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    2022年11月08日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    ブレイディみかこさんの『女たちのテロル』『両手のトカレフ』を読み金子文子についてもっと知りたくなりました。
    無籍者として育ち、不遇、壮絶などという言葉では到底語れないような人生。頼り守ってくれるべき両親からも不当な扱いをされ、特に朝鮮時代の人生は読むのが辛すぎて何度もページを閉じました。
    17歳で東京へ出てきてそこでも多くの裏切りにあい、19歳で朴烈と出会い23歳まで駆け抜けた文子。大人から虐げられ虐待を受け、それでも自らの生きる道を突き詰めた。朴と過ごした時間が唯一の安らぎだったのかもしれません。

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    2022年06月25日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    23年の短い生涯を強烈な密度で過ごした著者。
    苦境また苦境、さらに続く苦境。
    およそ100年前に実在したこの体験が、今こうして書籍となり読むことができることに対して感謝したい。そう感じる一冊だった。

    筆者は、とある理由で死刑宣告を受ける。
    恩赦により、無期懲役に減刑されるが、それを拒否し、獄中で自殺。このとき23歳。この人の人生には何があったのか。

    彼女の幼少期は、身勝手で責任感のない大人達の間で翻弄された。父、母、多くの親族等々。朝鮮時代の祖母とかゴミクズ。暴力を振るわれ、尊厳を無視され、侮辱され馬鹿にされ、自由を奪われた。それでも、強く生きようとする。10歳やそこらの少女がこの境遇に絶

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    2022年05月31日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    人から偉いと言われることではなく

    自分の人生を生きることに重きを置く姿

    なんでしょういい言葉が出ません。かっこよかった。

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    2021年08月15日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    凄まじい、としか言いようのない金子文子の人生
    極貧の家に生まれ、金持ちの親戚にもらわれて行っても女中以下の扱いを受けて。朴烈と過ごしたのはたった1年半にも満たない。
    「面白かった」という言い方は不適切なような気もするが、こんなに面白い自伝はほかには寒村自伝しか知らない

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    2020年02月29日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    これすごいな。
    もっと知られるべき本だと思う。
    この本に興味を持って読み始める前に最初に懸念したことが昔の本だから読みにくいんだろうなということ。
    原文がわからないのでもしかしたら編集の方の力かもしれないが、とにかく読みやすい。
    そしてこれは著者本人の力であろうが、そこらの小説よりもとても面白い。
    一般にはこの時代は純文学の時代と重なるものがあるのだろうが本当に社会の底辺で生き抜いてきたからこそのリアリティを感じた。
    闇の時代。日本が本当に貧乏だった時代。そういった今ではあまり聞かないこの時代のことがとにかく生々しく表現されていた。

    ひとつ唯一残念なのは結婚をしたところで手記が終わるところ。

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    2019年09月24日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    朝日新聞の読書のコーナーで知った。

    たった今、読み終えたが、適切な言葉が中々出てこない。
    体験して来た全てが常識の枠から全く外れていて・・・、そう、地獄の日々というのだろう、そのような時間を生き抜き、そして深いレベルでの「私自身」を生き切った、金子文子という女性。刑務所で縊死という形で人生を終わらせているが、最終的には完全燃焼して、縊死を含めた「生き切る」という生き様に、ただただ呆然とさせられている。

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    2019年08月11日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    ネタバレ

    23歳で自ら縊死したアナーキスト、金子文子の獄中手記。
    作者、金子文子の育った、父母による家庭の破壊、極貧、預けられた祖母・叔母から受けた虐待と朝鮮での暮らしという劣悪な環境は、1920年代当時の日本としては、例外的ではなかったかもしれない。
    しかし、作者は頭が良かった。
    この手記も、ほとんど記憶だけで執筆されたと考えられる。一部補筆復元があったようだ。

    (文子が この手記を宅下げして 同志の栗原一男に出版を依頼し、1931年(昭和6) の7月に 春秋社から出版されました。「宅下げ」といっても、栗原一男が 実際に手記を手にしたのは、1926年 (大正15) に 文子が死んでから、だいぶ経って

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    2025年02月01日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    壮絶だった。なにから書けばいいかわからないくらい壮絶だったが、読めて良かった。
    こう書くと軽く見えるかもしれないが、現代でいう親ガチャ失敗、生まれが選べないことによる貧困、教育を受けさせてもらえない等の数々の困難が降りかかる。まだ下があるのかと思うほど、読み進める程に酷く悲しい。それでも、子供から搾取する大人に囲まれ、虐げられた時代を長く過ごしたにも関わらず、幾度と「自分は間違っていない」と思える心が本当にすごいと思った。

    私は自分が将来、仮に親になることを考えるととても不安で、子供に施しをすることが出来るのだろうか…と考えることが多い。それでも、文子の言葉を読んでいると、特別何かを与えるの

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    2023年09月20日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    ネタバレ

    ブレイディみかこ著『両手にトカレフ』で知り、読みました。まず、小学校すらまともに通えていない著者が、よくこれだけの自伝を書き上げたものだと、壮絶な執念を感じました。文章力も記憶力も凄まじい。全てが正しい記憶ではないとしても。得意と苦手の幅がすごいのでしょう。我慢強いところと、我慢が足りないところ、その両方で『えっ? そこで…?』と、私には理解できない行動に、イライラさせられることも。また、朝鮮での7年間の様子はあまりにひどくて、途中で読み進められなくなりそうでした。読み終えて、書き残してくれたことに感謝します。

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    2022年10月04日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    ネタバレ

    読んだことのないタイプの人の自伝だが、読めてよかった。生まれる時代が違えば国政を担うような人になったかもしれない。朝鮮の祖母、両親、叔父などから虐げられてきたものの、芯が腐ることなく、前向きに生きる姿は素晴らしい。教師になって好きなことを学びたいと思って上京しても、社会構造を知って学ぶ気を失う。完璧な人間じゃないところも人間くさくていい。
    親になる人、教育者にぜひ読んでもらいたい。

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    2022年09月28日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    「私は人の為に生きているのではない。私は私自身の真の満足と自由とを得なければならないのではないか。私は私自身でなければならぬ」
    大逆罪で死刑判決後、恩赦を拒み獄中で23歳で獄死した金子文子の手記。生まれ落ちてからずっと不幸だった。極貧の中で無戸籍として育ち両親に虐待され親戚の家にもらわれて奴隷のようにこき使われた。苦学するために単身上京し新聞売りや露天商をしながら学校に通った。しかし苦学したところで偉い人間になれない世の中であることに気づき「人々から偉いと言われることに何の値打ちがあろう」と考える。彼女が行き着いた思想は自分の人生を生きること、だった。彼女は貧困を悪とは考えない。むしろそれを恥

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    2022年03月18日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    子どもの頃に受けた虐待が想像を絶する凄まじさ。それでも耐えられたのは自分や周囲の人を冷静に観察できる知性の持ち主だったからだろう。

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    2020年02月15日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    ひたすらかわいそうな目に遭っている文子さん、映画の筋書きか何かだったらいいのにと思うけど、そうではないことが悲しい。
    アンドプレミアムの本特集号で知って、金子さんの知識ゼロで読み、読んだ後で、
    どちらかというと朴さんと会った後の話の方が知りたかったと思ったけどこの手記はそもそも、その部分を語るためのものではないので当然であった。

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    2019年11月25日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    ネタバレ

    もっとひどい犯罪をおこすに至るのかと思ったら、苦しい境遇にあってもずっと自分の成長を願う素敵な女性の話だった。朝鮮人の夫との活動についても少しは知りたかった。獄中で亡くなった年齢があまりにも若くいたたまれない。

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    2018年03月06日
  • 何が私をこうさせたか 獄中手記

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    フレディみかこ『両手にトカレフ』を読み、初めて金子文子さん(実在の人物)を知り、読んでみました。
    知っているつもりのこの時代の女性の扱いは、現代のペット以下のような気がします。自殺を思い留まり生きてきた彼女が獄中で自死したのはとても哀しいです。
    元気な時しか読めません。

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    2023年01月11日