ケイトリン・R・キアナンのレビュー一覧

  • 溺れる少女

    Posted by ブクログ

    あらすじはとても語りがたい。
    統合失調症の家系に生まれ、自身も統合失調症と診断され服薬治療中のインプ。本書はインプによる手記という形をとって構成されるのだが、書き手であるインプ自身にも、これが事実であるかはわからない。
    インプは、恋人と別れ道に放り出されていたアバリンを家に迎え入れ、恋人となって共に暮らしていた。その最中、インプは深夜のドライブ中に、裸でずぶ濡れで佇んでいた謎の女性エヴァ・キャニングを見つけ、車に乗せ、家に連れ帰る。
    このエヴァ・キャニングの存在が、インプと読者を狂わせる。インプはエヴァと初めて出会ったのは二回、七月と十一月、その両方の記憶がある。
    エヴァと別れた後日、インプは十一歳の時に見た「溺れる少女」の絵を見に美術館に行く。するとそこにエヴァが現れる…
    エヴァは何者なのか、いや、この手記に書かれていることのどこまでが事実なのか。惑わされながらも、どのような終わりを迎えるのかがとても気になって読み進めた。
    開いてびっくり、上下2段組でボリュームがあったので時間がかかったが。最後まで惑わされ、興味をそそられた本だった。
    訳者あとがきを読み、考察のしがいがありそうだと思った。真剣にこの物語について考えたい気持ちと、これ以上深入りするなやめておけという警告が入り乱れる。
    狂気は、亡霊は伝播するのだから。

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    2026年06月04日
  • 溺れる少女

    Posted by ブクログ

    亡霊は伝染する。反転し、また反転する。
    読んでいるうちに、幻想と現実の境界線が曖昧になり、
    気づけば自分も物語の霧の中に迷い込んでいる…
     

    『溺れる少女』ケイトリン・R・キアナン

    いや…これは本当にすごい本だった。
    気軽に読める本ではまったくない。
    むしろ難解で、濃密で、容赦がない。

    語り手のインプは統合失調症の家系で、
    母も祖母も狂気の果てに自殺している。

    そんな彼女が語る物語なのだから、
    真実がどこにあるのか全く掴めない。

    いわゆる <信頼できない語り手>で
    読者はインプの紡ぐ言葉に終始揺さぶられ続ける。

    ✧

    キーワードは主に2つ。

    ひとつは、ある夜、ずぶ濡れの裸で現れた
    謎めいた女性エヴァ・キャニング。

    もうひとつは、画家ソルトンストールが、
    川に取り憑いた少女の亡霊を追い払うために描いた
    いわくつきの絵画『溺れる少女』。

    亡霊は伝染する。物語もまた伝染する。

    本書ではそれを「ミーム」と呼び、
    作品という媒体を通じて、
    時代を越え、形を変えて感染していく。

    ✧

    何が面白いって、この<伝播する亡霊>というテーマが
    さまざまなモチーフと結びついていくところ。

    松本清張をきっかけに広まった青木ヶ原樹海の話、
    聴くと死に誘われると言われた名曲「暗い日曜日」、
    (あれ、本当に美しい曲なんだよね…私は好き。)

    そして古今東西の文学作品への言及が怒涛のように押し寄せる。
    これを訳し切った翻訳者の鯨井久志さん、本当にすごい。
    どうやったらこんな文学の迷宮を訳し切れるのか…。

    読んでいて「???」になった部分も、
    巻末の解説を読むと一気に霧が晴れていく。

    読み終えたあと、頭の片隅にずっと冷たい水が残るような余韻。
    すごい本を読んだな…と、立ち尽くしてしまう読後感。

    そしてなぜかもう一回読みたくなる、不思議な魔力。

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    2026年02月24日
  • 溺れる少女

    Posted by ブクログ

    著書が、意図し計算し構成したこの世界
    戯曲や不思議の国のアリスなど様々な言葉遊びが混ざっているので、それらが頭に入っている人はよりこの世界に没入出来るのだろう 

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    2026年02月12日
  • 溺れる少女

    Posted by ブクログ

    とても面白かったですが、いかんせん長すぎて大変時間がかかりました。

    初めて本を切り取って保存しようと思いました。

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    2026年02月07日
  • 溺れる少女

    Posted by ブクログ

    途中までは面白く読んでおり、劇中劇のコンクリートの人魚は特に良かった。終盤は私に文章を味わう力が無くトーンダウンしてしまった。

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    2026年01月23日