【感想・ネタバレ】溺れる少女のレビュー

あらすじ

絵画「溺れる少女」に瓜二つの女性に魅入られた主人公は、精神に異常をきたす。怪談、都市伝説、人魚、人狼、カルト宗教……。信頼できない語り手による傑作サイコロジカル・ホラー。

★ブラム・ストーカー賞受賞作
★ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞作
★世界幻想文学大賞最終候補作
★英国幻想文学大賞最終候補作
★ネビュラ賞最終候補作
★ローカス賞最優秀ファンタジー小説賞最終候補作
★シャーリイ・ジャクスン賞最終候補作

ニューヨーク・タイムズはじめ各紙誌絶賛!
ローカス賞、世界幻想文学大賞受賞作家の最高傑作!

驚異的な文学作品
──ピーター・ストラウブ

読者を瞬く間に深淵に引きずりこむ
──ブライアン・エヴンソン


【あらすじ】
狂気を宿した母ローズマリーと祖母キャロラインの記憶をたずさえて生きる、画家兼小説家のインプ。ある日、町で出会ったゲームライターのアバリンと恋をするが、ドライブ中の路上で裸の女性エヴァと出会い、物語が反転していく。11歳のときにはじめて見た絵画『溺れる少女』、セーヌ河で溺れた名なしの少女、赤ずきんちゃん、ルイス・キャロル、ブラック・ダリア、ウラジーミル・ナボコフ、ジェヴォーダンの獣、セイレーン……。エヴァに出会ったのは、夏の夜のルート122か、秋の夜のウルフ・デン・ロードか。真実と事実が入りまじる、新たなゴースト・ストーリー。ローカス賞、世界幻想文学大賞受賞作家の最高傑作。


【著者略歴】
1964年アイルランド・ダブリン生まれ。アメリカに移住し、大学で地質学と古生物学を学ぶ。92年頃から小説の執筆を始め、人気コミック『サンドマン』スピンオフ作品のシナリオも手がけた。ホラー、ダークファンタジーの優れた書き手として高い評価を得ており、98年、長篇『Silk』で国際ホラーギルド賞第一作部門を受賞。2012年には本作でブラム・ストーカー賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞(現アザーワイズ賞)を受賞。また24年には「縫い針の道」でローカス賞短篇部門を受賞したほか、世界幻想文学大賞など受賞多数。また、古生物学者として研究を続けるほか、音楽活動も行なっていた。邦訳に、『ベオウルフ 呪われし勇者』など。

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Posted by ブクログ

亡霊は伝染する。反転し、また反転する。
読んでいるうちに、幻想と現実の境界線が曖昧になり、
気づけば自分も物語の霧の中に迷い込んでいる…
 

『溺れる少女』ケイトリン・R・キアナン

いや…これは本当にすごい本だった。
気軽に読める本ではまったくない。
むしろ難解で、濃密で、容赦がない。

語り手のインプは統合失調症の家系で、
母も祖母も狂気の果てに自殺している。

そんな彼女が語る物語なのだから、
真実がどこにあるのか全く掴めない。

いわゆる <信頼できない語り手>で
読者はインプの紡ぐ言葉に終始揺さぶられ続ける。



キーワードは主に2つ。

ひとつは、ある夜、ずぶ濡れの裸で現れた
謎めいた女性エヴァ・キャニング。

もうひとつは、画家ソルトンストールが、
川に取り憑いた少女の亡霊を追い払うために描いた
いわくつきの絵画『溺れる少女』。

亡霊は伝染する。物語もまた伝染する。

本書ではそれを「ミーム」と呼び、
作品という媒体を通じて、
時代を越え、形を変えて感染していく。



何が面白いって、この<伝播する亡霊>というテーマが
さまざまなモチーフと結びついていくところ。

松本清張をきっかけに広まった青木ヶ原樹海の話、
聴くと死に誘われると言われた名曲「暗い日曜日」、
(あれ、本当に美しい曲なんだよね…私は好き。)

そして古今東西の文学作品への言及が怒涛のように押し寄せる。
これを訳し切った翻訳者の鯨井久志さん、本当にすごい。
どうやったらこんな文学の迷宮を訳し切れるのか…。

読んでいて「???」になった部分も、
巻末の解説を読むと一気に霧が晴れていく。

読み終えたあと、頭の片隅にずっと冷たい水が残るような余韻。
すごい本を読んだな…と、立ち尽くしてしまう読後感。

そしてなぜかもう一回読みたくなる、不思議な魔力。

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2026年02月24日

Posted by ブクログ

著書が、意図し計算し構成したこの世界
戯曲や不思議の国のアリスなど様々な言葉遊びが混ざっているので、それらが頭に入っている人はよりこの世界に没入出来るのだろうな

0
2026年02月12日

Posted by ブクログ

とても面白かったですが、いかんせん長すぎて大変時間がかかりました。

初めて本を切り取って保存しようと思いました。

0
2026年02月07日

Posted by ブクログ

途中までは面白く読んでおり、劇中劇のコンクリートの人魚は特に良かった。終盤は私に文章を味わう力が無くトーンダウンしてしまった。

0
2026年01月23日

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