著者はグロービス・キャピタル・パートナーズの野本遼平氏(慶應→東大院→2012年司法試験合格→2015年KDDI→2019GCP)。
感想。素晴らしい。久しぶりにときめいた。
備忘録。
・新しいマーケット創造の罠。これは人間の欲求そのものをゼロから作り出そうとするものに等しく、成功する可能性が低いパターン。
・人間の欲求を用意したリソースで満たす。このリソースを安く手に入れて、高く評価されるようにして売る。
・「2つの異なるエコシステムにおける価値体系の違いを利用し、特定のリソースを仲介することで利潤を創出する営み」。これをこの本で「価値移転」と呼ぶ。
・例えば、ゴールドラッシュの時のツルハシ。
・例えば、リクルートのリボンモデル。個人ユーザーと企業クライアントの間に立ち、双方の情報を収集・整理した上で、反対側に流通させる。
・この構造を生み出す方法として、価値体系のズレがある2つのエコシステムを発見し、リソースを再定義して移転対象を特定し、価値移転の関所を築きゲートキーパーになる。
・ここで言うリソースとは。顧客に提供する便益のみなもととなるもの。ポイントは「それが初めからリソースとして認識されずに埋もれている」こと。例えば石油。これがエネルギーとして使い方も含めて認識されるか。Airbnbでいう空き家をリソースとして再定義できるか。そう言う話。
・リソースとして認識した後、誰でも模倣してリソースを使えるようではビジネスにはならず、ゲートキーパーとして流通経路を支配する仕組みを作ることでビジネスになる。テクノロジー、レギュレーション、オペレーションを駆使してゲートキーパーを築く。
・この考え方に基づいて事例が続く。例えばアクセンチュア。インドやフィリピンの新興国のエンジニアを、先進国の大手クライアント企業に対して高い報酬のエンジニアとして提供する。ゲートキーパーとして信頼ある大手クライアントへのアクセス権とか、安定・品質などの担保。
・他にも事例がわかりやすい。Uberとかたくさん。
・SaaSの解釈も面白い。「業務を型にはめて標準化・効率化する業務の型」がリソース。これを誰もが即座に同じ品質で実行できる仕組みにして提供する。この型の仕入れはコストがかからない(かかっているけど、多売できるし、やりながらアップデートとか)。この競争力を維持するにはシステムの良さよりも、業務の深さがポイント。(ここまでシステムにするか)がポイント。
・遺伝子=資本の話も好き。
・全部読んだ上での第12章が秀逸だ。素晴らしい。
・裁定取引との違いは、仕組みを作るところ。