藤野知明のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
またすごいものを読んでしまった、映像も見てみたい。黄色の背景に黒字タイトルという危険を知らせる補色の組み合わせの装丁は意図的なものなのだろう。著者は自身をサイコパスというが、とても誠実に家族と向き合い最期まで付き合った責任感の強い人だと思う。ここまで曝け出すことには想像以上の葛藤があっただろうけれど、救われる人もいるだろう。程度はあれど、側からはみえない、その家庭ごとの闇の部分を照らしてくれた。間違いを認めないと問題がなかったことになり、問題は解決されない。という箇所がひどく印象に残った。私自身の、どうすればよかったのか、という問いを見つめることになった。
-
Posted by ブクログ
藤野知明のどうすればよかった?を読んだ。
普通は本が話題作になり映画化されるのだが、本書の場合は映画が先で、本も出してみないかと出版されたそうだ。
内容的には、お姉さんの統合失調症の発症に対する両親の対応のドキュメントなのだが、最後まで読んでみると、確かにタイトルのどうすればよかったのか?はぴったり来る。
フィクションなら、私の評価は低かったかもしれないが、ドキュメントなので著者の葛藤や両親の対応についても、色々考えさせられてしまう。
私も年齢を重ねて人生を振り返ることも多くなり、父も今年100歳になるので考えてしまう。
映画も観てみたいものだ。 -
Posted by ブクログ
映画は見ておらず、本だけ読んだ。
とにかく淡々と語られる印象。あえて、そう書いてあるのだろうか。
一気に読んで、内容がまだ消化できていない。
この本は、統合失調症を発症した理由を究明するものではないという。ただ、発症後にどうすればよかったかを、過去をたどりながら考えている感じ。
今となって、部外者の立場からは、病院なりサポートなりあったんじゃないの?って思うけれど、当時は統合失調症や、精神科のイメージも違ったんだろうと思う。
印象的だったのは、「存在しない問題は解決しない」という言葉。
問題というものは、問題が存在するという認識がないと解決しない。この方の家の問題は解決するまで25年かかった。この言葉がとても心に響いた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画はみていない。書評をみて興味を持った。内容は壮絶。姉、母親、父親、著者。表紙をみれば幸せな家庭だったことがわかる。異変を示した姉を病院で診療させることを拒否する両親。なんとかしようとした著者のノンフィクションだ。世間の偏見や当時の病院の医療体制への不安などから、両親は診療を拒否したようだ。それによって、それぞれの人生は一変してしまった。姉は25年たって診療を受けることができたが、まもなくがんが発覚し、亡くなる。母は認知症の末に死去。父は90代後半まで生きた。著者は人生を大きく左右された。自身も精神に不調をきたすのではないかと不安な歳月を送ったという。失ったものも大きかっただろう。著者の抑制的な表現が好感をもった。著者は文章を書くのが不慣れなため、執筆は担当者がいたということが本書で書かれているが、内容が真実ならば伝えることには成功しているだろう。
-
Posted by ブクログ
2年ほど前にこの映画を観た時は本当に衝撃を受けた。当時の自分の感想メモを見返すと、怒り、虚しさ、葛藤、感情ごった煮の文章が長々と書かれている。
本を読んでいると、夜空に打ち上がる花火にカメラを向けるお姉ちゃんや、離れていく弟の車に手を振るお姉ちゃんのシーンが思い出されて、泣きそうになった。
どんな生き方でも時間は過ぎていき、それは過去に、人生の一部になってしまうんだなあと、当たり前のことを考えさせられる。
映像畑(ドキュメンタリー)の方だし意識されてるのだろうけど、客観的で、淡々とした文章。でも所々に家族への感情が垣間見える。
細かいところまで書いてくれていた。読めてよかった。
映画の解説書的な部分もあるので、個人的には映画を観てから読む方がオススメだけど(本→映画の順番だと受け止め方も変わったりするのかな?)、この本だけでも精神疾患の子供がいた家族の歴史、みたいなものを感じられるのではないかな。 -
Posted by ブクログ
映画を観れてないのでなんとも判断しづらいけど‥お姉様が統合失調症を発症なさったのがだいぶ昔な話なので、その頃は統合失調症ではなく精神分裂病っていう病名で偏見もかなり強い時代であり、非定型向精神薬もまだ出てきてなくて、精神医療体制もまだまだ整ってなかったであろうと考えると、一概に現在の精神医療の状況で受診させることと同一視して、「発症してすぐ受診&入院させればベストやったのに」とは言えないのではないか、、と思ったりしました。精神科の既往歴があると未来の可能性に影響が出てくる(特に医者志望であるならなおさら)とご両親が考えたとしても無理はないかなーと思ったり。まあ独特な価値観持ってそうなご両親やなとは思いましたが、、。
生まれてきたのが今の時代だったら、またご両親の判断、ご家族の行く末もだいぶ違っていただろうになと思います。