永野護(実業家・政治家)のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なぜ、日本は第2次世界大戦で敗れたのか。第2次岸信介内閣で運輸大臣を務めた政治家、そして実業家であった故・永野護氏が、その敗因を明らかにする書籍。
今回の戦争が起きた根本原因は、日本の国策の基本的理念が間違っていたことにある。開国以来、徐々に国力を増強していった日本は、自国の利益のみを目的とする「自給自足主義」を目指すようになった。この自給自足主義を「大東亜共栄圏建設」の名で強行したことが、戦争の胚子となった。
自給自足主義に加え、次のような事情が重なり戦争は起きた。
・日本の指導者や軍部がドイツを崇拝し、その物真似をした。
・軍部が近代戦の実体も英米の実情も知ろうとせず、精神力だけで戦おうとした。
・世論本位の政治を行わず、自由な議論を圧殺した。
日本にとって不幸だったのは、上記のような事情が「大人物の端境期」に生じたことだ。明治期の西郷隆盛のような大人物が現れず、官僚が右往左往している間に戦争に突入した。
戦時中、日本に大きな打撃を与えたものは、英米の「科学の進歩」の差である。これには次の2つの側面がある。
①科学兵器:レーダーや原子爆弾など、英米は日本より優れた科学兵器を有していた。
②科学的マネジメント:人員や物資を効率的に使う経営能力が、日本はひどく立ち遅れていた。
戦争の致命的敗因は、陸軍と海軍の不一致である。両軍は協力体制を築かず、自軍には不要な戦争資材でも相手に取られないよう先に押さえるなど、反目し合った。陸海軍当局者はこうした状況を把握していながら、正すことができなかった。