浅野俊哉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ニーチェ、シュトラウス、アドルノ、ネグリ、バーリン、シュミット、三木清らの思想と対峙させながら、スピノザ哲学の核心を浮かび上がらせる好著。
精神と身体、理性と情念、国家と個人、自然と人間、これらの対立を、神の変状としての様態が孕む「コナトゥス」=自己を保存しようとする力がさまざまな出会いの中で触発し合う効果とみなすことで多様性を保持しつつ一元論的に解明するという驚くべきスピノザの洞察。
良心の起源をめぐるニーチェの記述は印象深い。
「スピノザにとって世界は、良心の疚しさが、創案される以前のあの無垢=負い目のなさの状態へと立ち戻った」
現代を生きる私たちにとって、今まさに読まれるべき哲学である。