森田慶一のレビュー一覧

  • 建築論

    Posted by ブクログ

    部分と全体をつなげる役割としての「比例」が印象に残った。建築の歴史を振り返ると、細部から全体構成までを「比例」という具体的なルールで縛ることが、時代が変わっても一貫して重要視され、それが空間における「美」の秩序となっていた。
    一方で現代は、空間を統治するルールが比例からコンセプトへと移行している。比例はかつてほど絶対視されなくなり、抽象的な言葉や物語が建築の求心力を担うようになった。ただ、優れた建築家たちは、コンセプトの背後で、人間の身体感覚に根ざした「比例」や「数比」を、現代的なアプローチで精緻にコントロールし続けているのかもしれないと思った。

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    2026年04月07日