ケレン・ブランクフェルドのレビュー一覧

  • アウシュヴィッツの恋人たち

    Posted by ブクログ

    アウシュヴィッツ収容所を体験した人々に取材を続けている新聞記者が、いつものようにダヴィドへのインタビューをしていた。いつも通りに終わろうとしたところ、インタビューの終わりに、彼が「収容所に恋人がいたんだ。」とぽつりと呟いた事がきっかけでこの本が作られることになった。

    スロバキア出身のツィッピという女性と,ポーランド出身のダヴィドという男性が出会い、恋をするノンフィクション作品です。

    過酷な状況でも、危険を犯しても、人は恋をすることを求めるのだなと思った。むしろ危険な状況でいつ自分の命も無くなるか分からない極限な状況だからこそ、少しの時間でも大切にしたいからなのかもしれない。


    恋物語もだが、この物語では、収容所のような人を人とも思わないような過酷な環境の中でも、ツィッピは生きる事を諦めずに、持ち前の語学力とコミュニケーション力、過去に学んできたデザインの知識を活かして、収容所の中で個室を与えられ、特別な待遇を受けるようになり、何人ものユダヤ人を裏で救っていた事に驚いた。

    ツィッピは、ユダヤ人のカティアという女性と共に(彼女も簿記ができることと、たまたま看守側に自分に好意を持っている知り合いがいたことで特別待遇になる)ガス室へ送る予定の収容者の番号を使われなくなった既に死んだ収容者の番号にすり替えて、必要な死者数に達してるように見せかけたり、弱っている女性がガス室に送られないように匿ったり、バレないように慎重に収容所の人々を救っていったのだ。

    ツィッピも、カティアも2人とも当時の女性としては知識や教養があった事で、収容所での事務仕事をこなせる貴重な人材として重宝された。どんな過酷な環境でも生きる事を諦めないことと、持って生まれた体力と気力、教養、運、全てを兼ね備えた人だけが生き延びる事ができたのだと思い知らされる。

    物語自体は沢山の死人が出て悲惨なものですが、ツィッピとダヴィドを通した視点が常に明るく前向きで、読んでいてそこまで暗い気持ちにはならない不思議なノンフィクションでした。

    0
    2026年06月28日
  • アウシュヴィッツの恋人たち

    Posted by ブクログ

    凄く迫力ある一冊でした。凄すぎて読み終えてしばらくぼーっとしていました。
    人生の最後の最後にかつての恋人達は「答え合わせ」ができたのでしょうか。映画化して欲しいなぁ。

    0
    2026年04月19日
  • アウシュヴィッツの恋人たち

    Posted by ブクログ

    アウシュビッツ収容所の過酷な生活描写に、強い衝撃と悲しみを感じた。極限状態の中で人間の尊厳が奪われていく様子に心が痛んだ。
    一方で、そのような環境の中でも恋愛が存在していたことは印象的だった。人はどんな状況でも愛を求め、また愛によって癒しや生きる気力を得るのだと実感した。

    気づき
    教養や専門性など、自分が持つ知識や能力が、極限状態においても生き延びる手段になり得ることに気づいた。ただ生きるだけでなく、「何を持っているか」が生死を分ける可能性があると感じた。

    これから考えたいこと
    なぜドイツ全体がユダヤ人を迫害する思想へと傾いていったのか、その背景をより深く理解したい。
    また、このような思想は決して他人事ではなく、自分自身も同じような思考に陥る可能性があるのではないかと考えた。過去の歴史を学び続けることで、同じ過ちを繰り返さない姿勢を持ちたい。

    0
    2026年03月28日
  • アウシュヴィッツの恋人たち

    Posted by ブクログ

    これが実話であること、過酷な環境を生き延びた2人が別々にアメリカで成功していることに人の持つ生きる力の強さを感じた。
    基本はダヴィドの聞き取りをベースにしつつ、ツイッピについても、彼女が残した詳細の記録をベースに、生き生きと、それでいて過大になりすぎず魅力的に描写されていた。

    0
    2026年01月21日
  • アウシュヴィッツの恋人たち

    Posted by ブクログ

    とても重い話だった。自分はとても生き残れないだろう。世界には想像もできない経験をしてきた人達がいて、どう分かり合えばよいのか。まず知ろうとすることから始めようと思う。

    0
    2026年03月04日
  • アウシュヴィッツの恋人たち

    Posted by ブクログ

    これノンフィクションなんだよね。
    人間の仕業がここまで恐ろしいとは。
    怖くて仕方ないのに読まずにはいられない。

    生かすか殺すかよく簡単に「選別」できるもんだね。
    収容所運営側にも言い分はあるかもしれないが、当時や戦後、どういう精神状態だったんだろう。

    でも非常に恐ろしいことに、私がその立場だったら加害してたんじゃないかと思ってしまう。
    感覚が麻痺したとか、逆らえば自分が殺されるんだとか言いながら、どこかで自分の怒りや憎悪のはけ口にする気持ちを否定できないような。
    恐ろしい、本当に恐ろしい。

    ナチスの所業や収容者の命に対する思いはもちろんだが、自分もナチス側として存在していたらどうだったかということが頭にずっと残り、しばらくこの本から抜けられなかった。

    0
    2026年02月08日