伊藤誠二のレビュー一覧

  • 痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム

    Posted by ブクログ

    自分自身が慢性痛を持ち、既に他界した親もさんざん痛みに苦しんだ等の経緯もあり、関心が有って手に取った。
    期待以上に、知らなかったこと、現状での対処法の選択肢、解明されてきた仕組みなど、とても面白く読めた。と、同時に、特に「慢性痛」の怖さ、人体の適応反応の幅の広さ(社会活動上では都合の悪い意味も含めて)に驚いた!
    関節リューマチに、「進行抑制剤」ではなく「根本的治療法」が有るというのも、今更ながら知った。2002年から治療指針が制定されていることも。
    自分の親は、2000年にリューマチ性肺炎で他界した。それ以前の数十年に渡り関節リューマチに苦しんだ。
    娘も20歳前に関節リューマチを発症したが、将来を悲観する必要が無さそうで、それを知っただけでも良かった。
    ただ、本としては「読みにくい」。
    未解説の用語は使われないが、逆に、一度でも説明した用語は普通に頻繁に使われ、まるで大学の講義のよう。
    筆者的には平易に書いたつもりなのだろうが、文体的にも冗長で眠くなること甚だしい。正確性を重視しているのだろうが、こちとら素人なんだから、そこまで論理的厳密性を担保してくれなくても良いのにな...と痛感。
    ...の分を★1つ差し引いて4つ。

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    2019年05月06日
  • 痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム

    Posted by ブクログ

    人生も後半が見えてくると、痛みとは縁が切れない。
    親を見ていてもそう感じる。
    そこで本書を読んでみることにした。

    そうなのだが…
    「高校生物程度の知識があればわかるように書いた」そうだが、こちとら、高校では生物を学ばなかった。
    なかなかつらい読書となった。

    前半は、痛みの情報がどうやって脊髄まで運ばれていくかというメカニズムの解説。

    急性痛は、傷ついた組織や血管からあふれた血液などから出たさまざまな物質が大脳に運ばれ、痛みとして認識される。
    三か月以上続く慢性痛は、原因がすでにない。
    大脳の負の記憶によるという。
    この辺りの結論部分はすでにどこかで聞いたことのある話だった。
    年齢や身体的状況、心理的な状況により痛みの感じ方が変わってくるため、個に応じた対応が必要だとのことだった。
    そうなってくれれば本当にありがたいのだが、現実にはそんな丁寧な医療は受けられそうにない。
    大概、医者に行くと「年のせい」「そんなもんだからあきらめなさい」と言われるのだろう。

    さて、解説は熱の受容器、機械的な受容器(体への物理的刺激を感じるセンサー)、化学的受容器(食物やにおいなどから受け取る外界の化学的物質を感じるセンサー)それぞれで、痛みをどのように伝えていくのかを詳細に説明していく。
    イオンチャネルの作用により、衝撃や傷によるダメージが電気信号として伝達されていくということだった。

    後半は、痛みの情報が脊髄から脳へはこばれるメカニズム。
    脳のイメージング技術が進み、痛みにより活性化する脳の部位など、さまざまなことが分かってきたという。
    その一方で、デフォルトモードネットワーク(「チコちゃんに叱られる」でも聞いたことがある言葉だ)が痛みの感受に大きな関係があるという説も出てきたそうだ。

    その後、痛みが増強・持続するのはなぜかについての解説に入っていく。
    ナトリウムチャネルのタンパクの構造の説明の中で、神経線維上にあるナトリウムチャネルが活性化されないようにすれば、痛みの伝達が止まる、とあった。
    麻酔なども、こういうことらしい。
    またナトリウムチャネルのリン酸化が、電流の増加を引き起こすともあった。
    リン酸化は、この間読んだ疲労に関する本でも出てきた話だ。
    痛みはチャネル病という言葉も本書にある。
    本書の内容を十分に理解した(少なくとも知識が自分のものとなった)感覚はないが、少し見方が詳しくなった気はする。

    最後は痛みの治療の現在(といっても二〇一七年)の紹介。
    胃潰瘍を起こさない安全なアスピリン、リウマチの進行を止める治療薬などの情報がある。
    最後、明るい見通しが持ててよかった。

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    2024年07月21日
  • 痛覚のふしぎ 脳で感知する痛みのメカニズム

    Posted by ブクログ

    「痛み」というのが、いかに複雑なメカニズムで成り立っているのかについてはよくわかりました。
    1章は読みやすくて面白かったのですが、2章以後は徐々に生化学の本格的な説明に入り、特に3章からは基礎素養のない僕にとっては、ほとんどチンプンカンプンの難しい話でした。
    とはいえ、人体内で痛みの発生するメカニズムが相当程度明らかになって来ており、痛みの症状に対応する薬についても、日進月歩で進化していることについては、理解できたような気がします。
    僕は幸いそこまで激痛を経験するような病気や怪我はありませんでしたが、これからの老後を考えると、とても人ごととは言えないテーマだと思いました。

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    2017年05月22日