この手の本は早く読まないと、すぐ情報が古くなってしまう。なのでかなり急ぎ目で読んでみた。
完全日本人の私でも、これまで言語化こそしてなかったにしても2つのドイツが未だにあるような違和感はずっと感じており、それを今回、社会学者らしい視点や切り口で論じてあったので、モヤっとしていたものが見える化された感じだ。
元々同じ国だった国に、ある日突然国境線が引かれ、別々の道を歩む事になって、いざまた1つに戻ると言っても、元さやにはスッキリ収まらない、と言うのは、ある意味、誰にでも想像にたやすかったはずなんだけど、、、、。でもやっぱり、当時のあの映像 (壁を壊してるやつ)を実際私もテレビで見てて、歓喜の中、1つになるぞって感じだったのに、、、
現実は厳しく、そして今、更にこんがらがっている感じなんだろうなぁ…
1990年代半ばに当時学生だった私は、何度か旧東ドイツ地域を旅行したけれど、東にいるんだなぁという感覚は物凄いあった。学者でも何でもない私レベルでも、この本に書かれている事が、あぁそうだろうなぁと実感として認識できる。
国境や国家、政治体制ってこんなにも人を変えるものなのか?壮大な実証実験を見てしまった感じ。
個人的には、東が劣っていて西が優れていたと、パキッと割り切れるものでは無いと考えています。東ドイツには東ドイツとしての良さがあり、色々あってもそれなりに穏やかに日常生活を送ってきた訳で、それらの過去や尊厳を踏み潰すような事なく、三方よし、というようなVereinigungであって欲しいと思っている。
元さやに戻ったカップルだって、そんなに嫌なら別れれば良いのにといっても、喧嘩しながらずっと付き合い続けている人たちもいたりして、なんかそんな感じで、AfDみたいな変な誘惑に惑わされる事なく、最終的には戻るべき所に、あるべき姿に再構成される事を願っています。
大好きなドイツ