すでに引退した昔検察の偉い人だった著者の、まあ、検察人生を振り返る一冊。
本当に振り返っていて、あんまり検察の仕組みとかいろんな内情とか、知ろうと思って読むとガッカリするんじゃないか。
いかに自分が実直で頑張って、苦労もしたけど認めてくれる人もいたので出世したのだが、組織内の事件の責任をとって辞任、弁護士活動を頑張ってました。
いやー、いいっすねえ、としか。
もちろんまず司法試験に通るところが大変なのだし、激務ではあるのだが、やめた後も心配ないっすね。としか。
偉くなって来ると、1年2年でぽんぽん階段上がっていくもんなんすね。
いく先々で同じ上司に支えたりするのは、人が少ないせいなのか、人派閥なのか。
あるいは、このレベルになるような人材が足りないのか。
昨今、検察組織も国民からはかなりきつい視線が浴びせられてると思うんだが、この人は、あくまで検察側の立場である。取り調べ可視化には色々問題があると言ってるのはその通りなのだが、それは、自分たちの組織がバレたらヤバイような取り調べをやっていたことが伝わったのであって、イヤならちゃんとそうなるかもしれないと言う危機意識を持って自制すべきであったとしか。
見られて困るようなことをするな、と言うばかりではなく、見られてると被疑者の方もなかなかやりづらいこともあるだろうしデメリットもあるのだろうが、国民全体のもしかしたら損失を生んだのは、他でもない、検察という組織だとしか。
あと、同僚先輩後輩の関係者をずーっとさん付けで描いてるのはものすごく違和感があったのだけど、他のこの手の本もそうだっけ。自慢話ばかりだからそう感じるのか。
袴田事件についてかなりページ割いて、最新無罪の判決がいかにお粗末かと力説していた。ちゃんと読んでないのでどうにも判らないが、むしろそこだけで一冊書いてみても良かったんじゃないかと思う。一個人の半生に、さほど興味も覚えなかった。