桜井政成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いろいろな論文をもとに、いろいろな側面で「読書」を語っている本書。
この本にあったSNSによって長文を読む忍耐力を失っていくと言う指摘は今の自分をぴたりと言い当てていた。Xをダラダラ読んでいては、今後の老後の読書を楽しむ忍耐力や持久力を失ってしまうのでは、と少し怖くなった。
論文をもとに書かれているので説得力がある。
著者のクセなのかわざとなのかはわからないけれど「〜ですよね」とか「〜ですね」と語尾に「ね」がつくのが少し鼻についたが、著者が力説したいと思われるところには「ね」がなかったように思う。
いずれにしても「読書研究者」としての著者の次の本に大いに期待する。 -
Posted by ブクログ
「読書は決して『個人的行為』ではない」。
本書は、人々の読書のあり方が社会や制度、さらには読書を支える科学技術の発展によって大きく規定されていることを明らかにしようとするものである。
本書では、読書をめぐるさまざまなテーマについて社会学的な視点から考察が行われている。その内容を要約すると次の通りである。
・読書人口の減少をどのように捉えるべきか、またその調査方法は妥当なのか。
・人が自らを読書家である、あるいはそうではないと認識する要因は何か。
・人はどのような方法で読みたい本へたどり着こうとしているのか。
・人が読書に没入するための条件とは何か。
・現代人が読書時間を確保できるかどうかを左右する要因は何か。
・読書の目的や傾向と、社会学者ブルデューのいう文化資本との関係。
・読書会をはじめとする読書コミュニティの意義。
・社会的地位や人種、経済格差などに起因する読書格差を解消するための取り組み。
・電子書籍やオーディオブックなど、読書関連技術の発展が読書に与える影響。
読書好きの人間にとって、これらはいずれも関心を引かれるテーマである。また、本書を読むことで、自らの読書習慣や読書観を改めて見つめ直す機会を得ることができた。読書を個人の趣味としてではなく、社会との関わりの中で捉え直そうとする本書は、多くの読書家にとって示唆に富む一冊である。 -
Posted by ブクログ
学びの引き出し術のはるさんがおすすめしていて読んだ1冊。
今の業務に関わる内容でもあり、興味深く読んだ1冊。
当たり前だけど社会学は断言できるものではなく
見る角度や切り口から、さまざまな分析ができるものだということ。
そのなかでも印象に残った内容を抜粋で。
・日本人は知り合い同士の助け合いのボランティアが多い
→団体(自治会やNPO法人など)に加入しての活動がメイン
・ウチ・ソトの意識が極端に強く、見知らぬ他人に助けられることに抵抗がある
→借りを作ったという心理的負債。コミュニティのなかでは贈与はまわり、互酬性は循環しているため、助けるネットワークが生まれやすい。
・地域コミュニティは依存でも喪失でもなく解放されている論
→公的な部分では無関心でも、下位文化(サブカル)で興味のある部分で点でつながっている
・負のソーシャル・キャピタル(閉鎖的なコミュニティ=地元の息苦しさ)
→外部者の排除、個人の自由の制限、集団のメンバーからの過度な要求、規範の水準の押し上げ
・日本では地域コミュニティは「与えられるもの」でどう参加するかが議論になるが、社会が個人化していたり、災害が多い中で、どう構築していくかを考えていく盤面が出てくる
・多様性はいいことのように受け止められるが、実際は理解しあうには問題が山積み。それでもいいことなのは、無知にならないため。
・コミュニティの人たちだけでは解決できないときに、介入してくれる専門家や、「おせっかい」をやいてくれる人や、連結ピンとなれるような人がいることが大切。緩衝材のような第三者。
・個人化した社会では、誰にでもあてはまる明確な方策はないかも。
【助け合える幸せなコミュニティをつくるには】
ソトからの一方的な支援が受けづらいのであれば…
コミュニティでの関係性を変える仕組みづくり
①助けられる人が助ける
→コミュニティガーデンの例。ケアされる側の人も助ける側にまわってみる。
②贈与を交換にする
→地域通貨、有償ボランティア、献血会場でのフリードリンクなど
③ソトをウチにする
→シェアハウス、シングルマザーハウスなど
【みんなが幸せになるコミュニティ】
★ABCD(アセットベースドコミュニティディベロップメント)
=地域資源に着目し、地域住民主導の参加型プロセスで、人と人のつながり(ソーシャルキャピタル)を醸成し、内発的な発展を志向するもの
※住民の自己責任化が強くなりすぎないように注意
★「幸せのシェア」と「パッチワーク型のコミュニティ」