神田眞人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シンプルに面白かった。
現ADB総裁、前財務官の神田氏が、聞き手である日経の編集委員の質問に答えていく形式。
よって、聞き手の質問が大事だが、神田氏がこの著書を出そうと決めたのは、聞き手が決め手だったらしい。
確かに、長年にわたる丁寧な取材にもとづいた的確な尋ね方だなと随所で感じた。
神田氏は、ずいぶんいろんな仕事をされたことがわかる。
記憶に新しいのは、為替介入。
リーマンショックの時は世銀で世界金融危機対応に、東日本大震災の時は経産省や東電などと対応を図っている。そんなことはこの本を読むまで知らなかった。
相当いっぱい仕事をしているはずなのに、ものすごい読書家で、旅が好きで、いろんな世界にたくさんの交流を持っている。旅行を取り扱う資格や温泉マイスターの資格を持っているそう。十和田税務署長だったこともあったそうだ。
オックスフォードに留学していた時は現皇后さまとも交流されている。
でも、とても謙虚だなと感じさせる。
この人の下で仕事をしたら、楽ではないけど、いいボスだと感じることが多いかもしれないと感じた。
個人的には役人を目指す人にぜひ勧めたい。
役人なんてつまらないと思っているなら、この本を読むと少し考え方が変わるかもしれないと思った。
7章は、神田氏のパーソナリティが明らかになっていてそこだけ読んでも面白いと思う。 -
Posted by ブクログ
最近、経済学への興味が高まり、経済に関する本を続けて読んでいる。アダム・スミスやケインズの考え方に触れる中で、その流れで、手に取ったのが神田眞人氏の『世界金融秘録』。どんな本だろう?
果たして、この本は私が想像していたような経済学の本ではなかった。経済理論を学ぶというよりも、世界経済の安定のために奔走する著者の仕事を描いた「お仕事小説」を読んでいるような一冊だった。世界銀行やIMF、G7・G20など、ニュースでしか聞いたことのない国際金融組織の裏側が臨場感たっぷりに描かれ、思ったのとは違うものの、これがなかなか面白い。
ロシアへの経済制裁や為替介入、スリランカの債務問題などのリアルな現場の裏側が興味深い。世界各国との信頼関係を築き、粘り強く交渉を重ねる姿が語られ、国際金融とは数字ではなく「人」が動かしている世界なのだと感じる。
また、この本を読んで、市場経済は自然に任せておけば常に安定するものではないことも改めて実感した。平時は市場メカニズムが機能する一方、危機の局面では政府や国際機関による介入や国際協調が欠かせない。まさにケインズが説いたような「政府が経済の安定に重要な役割を果たす」という考え方が、現実の世界でどのように実践されているかが描かれているように思えた。もっとも、私は経済の素人なので、現実はそんな単純な話でもないのだろう。
もし経済学を体系的に学びたいのであれば、この本は少し違うかもしれない。しかし、グローバル経済の最前線で繰り広げられる国際交渉や危機対応の、ヒリヒリするような現場感を味わいたければ、楽しめるはずだ。