あらすじ
【世界で戦う「宇宙人」の素顔】
財務省で国際金融や為替政策を担当する次官級ポストの財務官を務め、世界を股にかけて活躍した神田眞人氏。約24年ぶりとなる円買い為替介入を指揮したことでも注目を集め、ユニークな発想と博覧強記は多くの人が知るところだ。本書は、リーマン・ショック対応、大蔵・財務省改革、投機筋との闘い、大学改革、企業統治改革などにどのような戦略を立てて臨んだのかを初めて明らかにする関係者必読の書。
【目次】
第1章 これが「円安との戦い」の全内幕だ
第2章 2003年の「円高との格闘」を振り返る
第3章 ウクライナ情勢で奔走、IMF出資比率2位も死守
第4章 危機と対峙する――リーマン・ショック、東日本大震災時の原発事故、コロナ危機
第5章 改革に挑む――大蔵・財務省改革、大学改革、企業統治改革
第6章 国際収支から見えた日本復活への処方箋
第7章 世界で戦う「宇宙人」の素顔
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Posted by ブクログ
シンプルに面白かった。
現ADB総裁、前財務官の神田氏が、聞き手である日経の編集委員の質問に答えていく形式。
よって、聞き手の質問が大事だが、神田氏がこの著書を出そうと決めたのは、聞き手が決め手だったらしい。
確かに、長年にわたる丁寧な取材にもとづいた的確な尋ね方だなと随所で感じた。
神田氏は、ずいぶんいろんな仕事をされたことがわかる。
記憶に新しいのは、為替介入。
リーマンショックの時は世銀で世界金融危機対応に、東日本大震災の時は経産省や東電などと対応を図っている。そんなことはこの本を読むまで知らなかった。
相当いっぱい仕事をしているはずなのに、ものすごい読書家で、旅が好きで、いろんな世界にたくさんの交流を持っている。旅行を取り扱う資格や温泉マイスターの資格を持っているそう。十和田税務署長だったこともあったそうだ。
オックスフォードに留学していた時は現皇后さまとも交流されている。
でも、とても謙虚だなと感じさせる。
この人の下で仕事をしたら、楽ではないけど、いいボスだと感じることが多いかもしれないと感じた。
個人的には役人を目指す人にぜひ勧めたい。
役人なんてつまらないと思っているなら、この本を読むと少し考え方が変わるかもしれないと思った。
7章は、神田氏のパーソナリティが明らかになっていてそこだけ読んでも面白いと思う。