田所昌幸のレビュー一覧
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世界秩序を決めるものは何か、という視点から近代の国家や国家間の枠組みについて論じ、これからの世界秩序について4つの可能性とそれぞれの特徴を語る。そして最後に日本のこれからについて、悲観的でもなく楽観的でもなく、丁寧に的確に指摘する。読み応えのある本でした。
特に最後の「ポストグローバル化と日本」の章はたいへんに示唆的で参考になりました。
国家というものがあったほうが庶民には生きやすい世界で、右でも左でもなく、イデオロギーでもなく、世界秩序の中で生き残る道を模索する、そのためのひとつの指針をいただけと感じました。
作者の見解への意見は各人で分かれる可能性はありますが、一読を勧めます。
中江兆民 -
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秩序とは物事の正しい順序や筋道を表す言葉であり、社会などの一定のメンバー数を抱える組織体が整った状態にあるための条理を表す。条理であるから道理に適い、一般的にみて「そうあるべきが正しい」といった様に、筋の通った考え方やそれに基づいた状態にある事を意味する。一方、秩序が乱れるとは、その逆の意味であるから、組織や集団、社会などが、本来持つべき安定した状態やルール、調和が崩れてしまい、統制が効かずにバラバラで混乱したりする事を意味する。そこでは、統制の喪失から生まれたルール違反が横行し、一体感が欠如した結果、皆がバラバラに行動するなどして、集団の纏まりが失われた状態にある。
本書「世界秩序」とはその -
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1章ではグローバル化の条件、2章、3章では歴史的な帝国の興亡を振り返り、4章でポストアメリカの世界、5章ではその中での日本のあり方が描かれる。
5章で問われる日本の立ち位置では、大国でも小国でもなく、特に豊かでも貧しくもない日本の等身大をいかに日本人自身が受け入れるかが鍵になるように受け止めた。「日本の凋落とアジア諸国の台頭は世界が平等になったという意味で、喜ばしく考える人がいてもおかしくはない」との指摘には膝を打つ。少なくともアジアの収奪を問題視していた左派がこの状況を不満に思うのは筋が通らないのではないか?
過去の栄光にとらわれた余計な虚勢が日本の最大の弱みではないか。