田所昌幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1章ではグローバル化の条件、2章、3章では歴史的な帝国の興亡を振り返り、4章でポストアメリカの世界、5章ではその中での日本のあり方が描かれる。
5章で問われる日本の立ち位置では、大国でも小国でもなく、特に豊かでも貧しくもない日本の等身大をいかに日本人自身が受け入れるかが鍵になるように受け止めた。「日本の凋落とアジア諸国の台頭は世界が平等になったという意味で、喜ばしく考える人がいてもおかしくはない」との指摘には膝を打つ。少なくともアジアの収奪を問題視していた左派がこの状況を不満に思うのは筋が通らないのではないか?
過去の栄光にとらわれた余計な虚勢が日本の最大の弱みではないか。