安藤徳隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【日清食品をぶっつぶせ|安藤徳隆・竹居智久】
— 自ら創造し、自ら破壊せよ —
日清食品社長・安藤徳隆氏が、自身の経営観やブランドづくり、新規事業への挑戦、そして創業家3代目としての覚悟を語った一冊。日経BPの竹居智久氏による20時間以上のインタビューをもとに、安藤氏の考え方や胸の内が掘り下げられている。
本書の中心にあるのは、「自ら創造し、自ら破壊せよ」という考え方である。創業者・安藤百福氏がインスタントラーメンという食文化を創造し、2代目の安藤宏基氏が「カップヌードルをぶっつぶせ」の精神で会社を成長させてきた。その流れを受け継ぎながら、3代目である安藤徳隆氏は、築き上げられた日清食品そのものをさらに次の次元へ進化させようとしている。
印象的だったのは、日清食品のユニークなブランドコミュニケーションが、単なる奇抜さではなく、強い戦略性のもとに設計されている点である。「カレーメシ」のCMや、関西工場のエントランスに象徴されるように、日清食品らしさは偶然に生まれているのではなく、ブランドをどう記憶に残すかを徹底的に考え抜いた結果として表れている。
また、「完全メシ」事業への挑戦も本書の大きなテーマである。既存の即席麺事業に安住するのではなく、最適化栄養食という新しい領域に踏み出し、「もう一つ日清食品ができるくらいの規模」を目指す姿勢からは、既存事業を守るだけではない経営者としての覚悟を感じた。
強い企業ほど、過去の成功体験に縛られやすい。だからこそ、自ら創造したものを、自ら破壊する勇気が必要になる。日清食品という強いブランドを守るのではなく、壊しながら更新し続ける。その姿勢こそが、長く勝ち続ける企業の条件なのだと感じた。
企業を成長させるとは、単に既存事業を伸ばすことではない。
自社の強みを理解しながらも、それに安住せず、次の可能性を自ら作りにいくこと。
経営者の覚悟と、ブランドを進化させる執念が伝わる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
NHK朝ドラモデル日清食品創始者安藤百福の孫の挑戦を描いた本。
幼稚舎からの慶應出身のボンボン、三代目。
小学校の卒業式で先生から「お前は会社をつぶす」と言われたのがばねになっていると。
なんて先生だ。売り家と唐様で書く三代目 と言いたかっただけか?
ねたみか?叱咤激励か?
結果として三代目はこれに奮起し、卒業後3年間祖父のカバン持ちを経て社長になり、
現状維持が蔓延していた会社に新風をまき起こす。クリエイターとして。
二代目のCEOが宣言した「日清食品をぶっつぶせ」を体現すべく活動。
ラーメンだけの会社にカレーメシを売り出す。
斬新なCMを作りばずったと思えばまた新しい試みに切り替える。
「最高にジャンク!なのに最高にヘルシー!」な最適化栄養食をめざす。
商品の形の名刺を作る。
株価連動型食堂を作る。。。
自らプロモーションを考え、実演したスティーブ・ジョブズのように活動する。
まだ40代。
オーナー会社のいい面が出ているのが日清食品、と読めた。うらやましい。
若い社長が新しいアイデアを社員からどんどん引き出す。
まあ、この本に書かれていない負の面もあるとは思うが、
間違いなく日清食品は常に新しい。
・・・私は腸の調子が悪くグルテンフリーで麺が食べられないので、
日清食品はご無沙汰だけど。
TVCMで、店頭で、日清食品は否が応でも目立ってる。
カレーメシを食べてみようかな。
キーエンスのキーワード、試行錯誤の高速回転を地で行ってる。
いいな。
●はじめに
●プロローグ 定例会議――「試食30秒前です!」
[コラム]よく分かる日清食品
●第1章 刷新と革新――カレーメシ誕生の舞台裏
本格を目指さない"理解不能な新しさ"
[畏友の視点]クリエイティブディレクター 佐藤可士和氏
クリエイティブの可能性を信じる 日本でも稀有な経営者
●第2章 創意と習合――クセになるCMの設計術
ひよこが踊り、売り上げがはねる
[CM研究家の視点]東京企画 代表取締役社長 関根心太郎氏
「3つの顔」を持つ経営者 出稿量以上のCM効果
●第3章 破壊と創造――最適化栄養食への挑戦
最高にジャンク!なのに最高にヘルシー!
[幹部の視点①]徹底的に受け手目線 「守りの姿勢」なし
●第4章 原点と拡張――クリエイティブと経営
ジョブズのiMacと百福のカップヌードル
●第5章 即興と責任――挑戦的風土のデザイン
ジャムセッションで社員の「報酬系」を回せ
[幹部の視点②]本質を考え続け細部にこだわる 「あとは任せたよ」が一切ない
●第6章 科学と芸術――クレイジーな経営者
細胞生物学と映画監督、そしてラクロス
[幹部の視点③]面白さと論理が並び立つ 妥協せずにいいものを追求
●第7章 継承と進化――創業家経営の未来
つぶさないためにぶっつぶす
●エピローグ 反骨――「きっとおまえが会社をつぶす」
●おわりに -
Posted by ブクログ
M!LKの「イイじゃん」パロディ等、いまSNSでバズってるそんな時節を捉え、他とは違う尖ったCMを連発している日清。気になっていた企業からタイムリーに発売された本書。そんな日清のカルチャー風土、スピード感の源泉を覗き見ることができる内容だった。
日清では3代目社長の安藤徳隆氏が日清の全社戦略はもちろん、各商品のSNSでのコミュニケーションプランまで社員との定例を設定しディスカッションを行い、全てを決定・判断している。この規模の企業で社員と社長の距離が近いことにまず驚く。また社長は、経営者であり、マーケター、クリエイターの顔も持つ、加えて、枠にはまらないアイデアマンでもあり、どこかに偏っているわけでなくすべてにスキルのあるスーパーマンであった。社長自らがそのように「デザイン思考」のお手本となり、社員は業務の中で社長の思考に触れることで身についていき(社員が育つ)、日清全社の目線があっていっている。最近の日清から感じる、スピード感や枠を超えた面白さの源泉を理解した。
社長が築いたカルチャーは、他社には簡単には真似できないものと感じる(だからこそ日清の強みであり勝ち続けられるのだが)。真似しようにも、チャレンジングで結果が予測しにくいこともあり、私自身の仕事でも周囲のチームメンバーレベルですら理解してもらう難しさを感じている。そこを自らが見本となり、反発を浴びながらも、相当な労力をかけて、責任をとり、徐々に作ってきたというところに大変な苦労が見える。参考にしたいところだが、強い精神力、体力がないとできないよな…と読んでいるこちらが疲れてくる大変さだと思う。
とはいえ、日清ほどの大企業でもここまでできるんだから、「不可能ではない」と勇気づけられる。
また壁にぶつかったら読み返したい本。 -
Posted by ブクログ
ネタバレどんな事でも自分で「デザインする」という意識・視点にとても学びを感じました。
特に4章の『原点と拡張』はとても面白かった。
食堂の改修ひとつをとってみても、従業員の意識を変えるための仕掛けを施した食堂にする。
それは会社の方向性に沿った形になるように従業員をデザインするようなイメージ。
一石二鳥はなく三鳥にも四鳥にもするような考え方。
自分は仕事をどのようにデザインしようとしているのか、どのようにデザインすればもっと仕事が面白くなるのかと考えるよいきっかけになった。
他にも「あのcmはそんな意図があったんだ」「カップヌードルミュージアムのオリジナルカップヌードルって工夫があったんだ」という場面もあり面白かった。
やはりそれだけ日清は自分の身近にあるんだなとも改めて実感した。
面白い一冊でした! -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分の仕事を楽しめる会社
事業や商品にとどまらず、会社という組織やそれを構成する人の考え方もデザインしていく。これが安藤徳隆流経営の根幹にある。
社員が日々、成長を感じられる会社にしたい。日々の仕事で自分は成長できるというマインドセットを持てる雰囲気にしたい。その思いはとても強いです。
じゃないと続かない。だって仕事って普通は面白くないですよね。創業者(安藤百福氏)は「仕事を戯れ化せよ」と言いましたが、やっぱり自分の仕事を楽しめる会社にしなくちゃいけない。
仕事を楽しめるとはどういうことかというと、成長を感じられるかどうかだと思うんです。「あれもダメ、これもダメ」じゃなくて、「それ、面白いからやっちゃおう」と挑戦ができる社風は、会社として絶対に強みになる。
そして社員の挑戦を促す原動力は、「面白い」だけではない。徳隆氏はこ
う語る。
やっぱり自分の仕事がどう世界に波及しているのかを体感しないと、
自分の中の「報酬系」は回らないですよね。
「報酬系」。徳隆氏はしばしばこの言葉を口にする。言い換えると、「自分が手掛けたことについて満足感を得て、次のチャレンジへの意欲が生まれるサイクル」といったところだろうか。脳科学の分野では、仕事に対する報酬のような働きをする神経系を「脳内報酬系」と呼ぶ。人にとってのやりがいの源泉とも言えそうだ。
どのように満足感(=報酬)を得るかは人によって異なる。社内外で話題になることを喜ぶ人もいれば、自分の中の物差しで自分の仕事の出来栄えを評価する人もいるだろう。そうした中で、世界にどれだけのインパクトを与えているのかが特に大事になるというのが徳隆氏の考えだ。
自分の仕事を通じて、つまり食に関する仕事を通じて、世界をもっといいものに変えられているか。それを体感できるように整備してあげないといけない。
何のためにこの仕事をやっているのか分からないとか、この仕事はもうかるけれど人にも地球にも優しくないとかではダメなんです。そこにストーリーが必要になってくる。
人にも地球にもハッピーなことをやっている。それをつくり出す仕事はとても楽しい。そして自分自身を成長させてくれるー。そこまで思えるような状態になったら最高ですよね。どれだけ多くの社員にそういうふうに感じてもらえるかが経営者にとって重要だと思っています。
まじめに考えすぎる必要はないんです。どうやったらそういうストーリーを示せるか。世界をいいものに変えられるという雰囲気をどう演出するか。そこに知恵を絞る。
ただ、僕の仕事の中でなくならないものもあります。日清食品は「ブランドマネージャー制」を敷いてブランド同士を競わせている。その仕組みを続ける限り、それぞれのブランドグループが自分たちの売り方やブランドイメージに合わせて提案してくるわけです。
それを全部同時に見て、日清食品としてどう収めるかを判断する。
「これは面白いけど、僕らが考えているビジョンに沿っていない」みたいな判断は社長がしなければいけない。そういう「整える」仕事は絶対に残ると思っています。
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Posted by ブクログ
日清食品、なんとなく大企業病にかかっていそうな企業の一つだと思い込んでいたが、、。
挑戦する風土が、築きつつある。
ユニークさを軸にしたブランディングが上手い。
創業経営者徳隆氏がクリエイティブ・デザイン経営を上手く体現している。
インスタントラーメン、即席麺市場のパイオニア・フロントランナーでありながら、そのポジションに甘んじることなく、次の壮大なビジョン(最適化栄養食)も描けているし、実際にその事業も成果が出て、成長している。
業績は良いが、株価(直近の海外アメリカ動向)では冴えない推移をたどっている。それでも長期で見れば、注目の企業ではないだろうか?! -
Posted by ブクログ
・消費者が好きなものを食べていたら、自然に健康になっていく未来
・「なぜそういう判断をしたのか」という過程を見せることが社員たちの成長につながる
・日清食品のユニークさの一つは、人の食欲に寄り添うことです。健康のために食欲をセーブできるのは、本当に意思が強い一部の人だけでしょう、僕達は人に行動変容を求めない。「今のままでいい」といって、中身だけ変えてあげる。これはものすごいイノベーションだと思います。
・会社が生み出すことができる価値や会社が戦う部隊がどんどん大きくなるようにデザインする。それが社長、経営者の仕事だと思っています
・ジョブズは」「コンピューターに何ができるのか」ではなく、「コンピューターを使ってクリエイティブな人々は何ができるのか」に゙ポイントを置きました。コンピューターのスペックよりも「創造性が重要だ」というリフレーミングをしたんです
・とにかく相手にとって印象に残る方を選ぶ。そういう判断の積み重ね
・消費者の視点にパッと飛んで、その消費者の生活や環境から逆算していく。
・ブランドも、組織も社風も、外から見た会社全体がすべてデザインで決まる。それが付加価値経営の基本だと思ってます
・成長実感カンパニー。日々少しでもみんなが自分の成長を実感できるような会社になる
・弱い発想を心のなかに1%も作っちゃいけない。弱い気持ちが少しでもあると、それが前進を蝕んで硬さが生まれたり、判断が遅れたり、一歩出る勇気がなくなったりする
・失敗を恐れず、勝利を疑わない。失敗することなんて想像もせず、とにかく相手を上回ろうとする