大村幸弘のレビュー一覧

  • トルコを知るための53章

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    トルコにおける世俗主義とイスラームの関係が本当に興味深かったです。かつては欧州に近づこうとしましたが、度重なる拒否にトルコ側もいよいよしびれを切らしてイスラームを元に欧州との対等の関係を求めつつも独自路線を歩んでいくことを決めた現在のエルドアン大統領、前任のギュル大統領の英断だったと思います(日本ではいまだに欧米の後追いという現実・・・)。欧州の域内では自由や民主主義を掲げる一方で域外ではそれを平気で踏みにじるダブルスタンダードという欺瞞を世界で一番理解しているのはトルコではないかと思いますから。
    その他古代トルコやオスマン帝国の歴史の概要や現在のトルコの文化・風習が理解できる内容盛りだくさん

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    2020年11月22日
  • トルコを知るための53章

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    文明の十字路、トルコ。近隣諸国と絶えず緊張関係のもとで生きてきたトルコの人たち。そもそも国境すら時々で大きく変わってきた…。アジア大陸の東端、日本。西端に位置するトルコ。言葉、民族、宗教、文化、習俗、領土、いずれも乱暴に言えば均一の日本人に、トルコの歴史の層の厚さからくる“いま”は到底理解できないか。頭で考えても仕方ないので現地に行ってせめて数千年の歴史の一端に触れてこよう。

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    2023年11月20日
  • トルコを知るための53章

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    「知るための」シリーズのトルコ版。半分以上前近代で占められていて、後半は現代トルコに関する内容。

    在日トルコ社会についても述べられていて興味深い。あとトルコがアフガニスタン、パキスタンと深い関係にあるのは初めて知った。

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    2012年08月03日
  • トルコを知るための53章

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     トルコの歴史から現代社会、文化までこの一冊で網羅している。
    僕が特に興味深く感じたのは「スカーフ論争」。イスラムの女性はスカーフで肌を隠すというイメージがあるが、トルコは世俗主義(政教分離)を強く推し進めた歴史があるため、「スカーフ」は宗教の象徴として公の場(大学など)では禁止されていた。「スカーフ」はイスラムの象徴であり、「イスラム主義」を政治の持ち込むという意思表示であるとみなされる場合もあるからだ。
    2012年7月にトルコを訪れたとき、多くの女性がスカーフを身に着けていたが、スカーフをめぐってそのような論争が繰り広げられていたとはそらなかった。大変勉強になった。

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    2012年07月23日
  • トルコを知るための53章

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    トルコの歴史・文化・政治についてオムニバス形式で色んな人が書いている。

    地理・気候
    アナトリア高原と南東ヨーロッパのトラキアからなる。アナトリア高原は短い夏は暑いが、冬は零下20度にもなるところがある。小麦が取れる。沿岸部は地中海性気候。

    歴史
    古代ではヒッタイトが有名。製鉄を最初に始めたとも言われる。その後、アレクサンドロス大王が通過していったり、ヘレニズム諸王朝やローマ帝国の支配下でギリシア化が進んだ。ローマ帝国とビザンツ帝国の時代にキリスト教化される。11世紀にトルコ系遊牧民のセルジューク朝が入ってきて急速にイスラム化が進んだが、土着の信仰の影響も残った(神秘的傾向のあるスーフィー)

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    2018年11月05日
  • トルコを知るための53章

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    昔のトルコから、近代までよく網羅してある本。
    財閥としては、コチ、サバンジュが1920年代に産声を上げた。
    AKBANK AKSigorta ENERJISA,BRISA,CarefourSA, TEMSA、ドウシュ、ドアン、エンカ、

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    2016年04月30日
  • トルコを知るための53章

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    前半の方は、著者個人の属人的な内容で薄いが、後半はなかなか今日のトルコを知る上で役に立つ事が書かれている
    巻末近くの、在日トルコ人の方々による、震災後の支援活動はとても胸を打つのでぜひ一読なされますように

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    2013年08月13日
  • トルコを知るための53章

    Posted by ブクログ

    トルコ人は人なつこく、自尊心が高く、日本人に友好的。イスラム的な家族観があり、家族の絆が強く個人主義的な部分は弱い。弱者は放っておかない社会的な雰囲気がある。
    ギリシャを退けオスマン帝国に変わって建国されたトルコはヨーロッパ的な世俗国家を目指していたが、奔放な恋愛・性交渉、厳格な個人主義などの文化にはなじめず、近年ではイスラム主義が隆盛し支持を集めている。しかし世俗国家としての原則は微妙なバランスの上に守られている。

    まるごと一冊で概ねトルコの初歩的なことを理解できると思う。Wikipediaなどでは難しい、情報の横の繋がりが理解の助けになっている。

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    2012年07月01日