これは社会学の本なのか??とちょっと疑問。
建築関係のエッセイ、みたいな印象。
転職サイトの話と、中華街やマンション開発の事例はわりと面白かった。
余談だけれど、企業名の伏字が斬新。
例:Dトール、Mドーナツ
以下メモ
・職場は「居場所」でもある。
が、「より良いワークライフバランス」という掛け声のもと、仕事以外の生活に、より価値を見出し仕事時間を減らすことを「働き方改革」と名づけ、善なる行いとしてワークからライフへと「居場所」の移動を指示しているのだ。
・設計という仕事
まだ願望でしかないクライアントの頭の中にある漠たる「建築」を、法的、物理的、社会的な具象とするため、煩雑な法令を読み解きながら、行政の建築施策及びお役人たちの法令解釈との齟齬を埋め合わせながら構成しなおす。そしてそれを素人であるクライアントとその関係者に理解できるように美的操作を加えながらプレゼンテーションを行い関与する各セクターの合意を得て、まだまだ願望の入り混じった想念でしかない抽象空間に物理的な形を与える。
・転職エージェント
給与や労働時間や福利厚生といった労働条件の良しあしではなく、「君には価値があり、それを認めてくれる世界がある」と承認欲求を刺激して唆しているのだ。
就職問題が居場所問題であることなど意識の端にもなく、転職の先には漂流の可能性もあることなど意識していない。
若者にとっては転職はショッピングなのだ。好きか嫌いかで感覚的に選択できる「認知容易性」を基軸仕様とする転職サイトは「居場所」がお気軽に手に入ると繰り返し教えている。そこでは自分の人生における働くことの意義など考える必要はない。まどろっこしいことは放っておいて、目の前の商品リストから気に入ったものを選べばいいのだ。だからどんな仕事であろうと悩む過程が含まれていることに気が付きもしない。