石川扇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【HJ文庫公式レビュアープログラム6月配本作品1/3】怪談師を目指す女子高生・咏と同級生で霊能力者の少女・青が、『怪談』を追いかけるオカルト作品であるとともに、二人の互いへの心情を描いた百合作品でもありました。二人のやり取りが軽妙なのでオカルト風コメディかと思いましたが、『転』に至りその認識を改めることに。二人が抱えた深刻な背景に由来する罪悪感を、共に怪異に向きあうことより二人で乗り越え成長していく展開に青春の輝きを感じました。咏と青の友人二人の個性も魅力的なので、今後彼女たちた四人が物語をどう動かしていくのか楽しみにしています。
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Posted by ブクログ
ネタバレ私の中ではちょっと珍しい、なかなか良質なシスターフッドの物語で、とても面白かった。主人公の青、ヒロインの咏は、ともに決して軽くはない、相応の質量を持った過去を背負っている。しかし本作が印象的なのは、その過去を劇的に“解決”するのではなく、二人で並び立つことによって、時間をかけて乗り越えていこうとする姿勢を丁寧に描いている点だろう。
互いを救済の対象として消費するのではなく、依存にも支配にも寄らない関係性が心地よい。青は咏を守る存在でありながら、同時に彼女から支えられてもいる。その相互性が、この物語を単なるヒロイン保護譚ではなく、成熟したシスターフッドの物語へと押し上げているように感じられた。