芝崎祐典のレビュー一覧
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クラシック音楽愛好家にとって、ベルリン・フィルは知らぬ者のない世界最高水準のオーケストラだ。しかし、その150年にわたる歩みは、ナチス時代の翻弄や経済的困窮など、凄まじい紆余曲折の連続であった。
特に興味を惹かれたのは、フルトヴェングラーとカラヤンという二人の巨匠の人物像だ。フルトヴェングラーが若きカラヤンを執拗に嫌い、そのカラヤンもまたバーンスタインを敵視していたという記述には驚かされる。非凡な才能ゆえの嫉妬と対立は、まさに「出る杭は打たれる」を地で行く人間臭さだ。
さらに、歴代最長の「終身指揮者」を務めたカラヤンと楽団との関係も、決して平坦ではなかった。彼の独断や商業主義は幾度も衝突を招い -
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歌劇場付きのオケではなく、最初からシンフォニーオーケストラとして生まれたベルリンフィル。やはり運営資金が安定するまでは苦闘の連続だったようだ。音楽で国のアイデンティティーを確立するという国の施策にうまく乗ってから快進撃となるわけだが、そこを指揮者を中心にたどっている。
ハンス・フォン・ビューロー→ニキシュ→フルトヴェングラー→カラヤン→アバド→ラトル→ペトレンコと変わってきているけど、カラヤン後は専制君主ではなく民主的なリーダーになっているのが見て取れる。時代の趨勢もあるけどオケ側が主導権をとっているわけだ。それが正解なのかどうかは分からないけど。アバドは病気だから仕方ないとしてラトルの退任は -
Posted by ブクログ
世界最高峰のオーケストラ、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、通称ベルリンフィルに関する本が出版された。これまでにもベルリンフィルの歴史についての著書は沢山あるものの、自宅には1冊も無かった。確かに、ナチとフルトベングラーが接近して以降の話は良く知っているが、それ以前の歴史については殆ど知識が無かった。本書は中公新書で1,050円と廉価で、歴史を勉強するには丁度良い分量だったので駅前の書店で購入した。
ベルリンフィルは設立当時から素晴らしい楽団という訳ではなく、市民オケに毛が生えた様な楽団だった。当時ドイツは、美術等の芸術で先行していたフランスに対抗して、音楽を建国の柱とし支援を強化していた。