中橋恒のレビュー一覧

  • 半歩の壁 死に学び、生を考える

    Posted by ブクログ

    延命治療の自粛、緩和医療やホスピスケアの充実、推進に理解を示すようになってはきた。しかし安楽死そのものの核心に手を突っ込むことはしなかった。医学はそもそも人間を生かすためにこそ存在する。死ぬことに手を貸すことなどもっての外、の一点張りを通してきたからだ。人間における「死の現場」、あるいは「死に逝く場所」に立ち入ることを禁ずる思想であり、哲学であると言っていいだろう。人が病室で死ねば、医師は首を垂れ、言葉少なく静かに病室を去っていく。その最期のときが近づいたとき、病床の遺体から去っていく。そこはもはやお医者さんの立ち入る場所ではなくなっているからだ。あと一歩、あと半歩前に進めば、そこにはまだ「死

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    2024年12月27日