下村智恵理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作者の下村さんは、カクヨムでいい作品をたくさん書いているのに、もう一つブレイクできてませんが、こういう作品を発掘してくる創元社編集部はさすがです。読者任せの「なろう」とは違って、出版社と組んでこうした賞をいくつも設けているカクヨムの良い所だと思います。
ホラー風味の超常現象を、科学的に解明するというのは、まあわりとよくあるパターンではありますが、この作品は、東京から群馬に越してきた文系編入生の男の子が、理系女子の暴走に巻き込まれていくというかたちで、文系/理系、都市/地方といった枠組みを上手に使い、双方の良さ・強みをうまく引き出しています。何か抱えた男の子が、東京から地方へ行って、そこでの出会いを通して成長していく・・・という意味では『銀の匙』の主人公と少し似たものも感じました。
主人公の男の子が父親が新聞記者という設定を生かし、作品の中に社会科学的な視点もナチュラルにとりこんで、地方が抱えている問題に目を向けている点もGOODです。
カクヨムには、この作品のヒロインを、犯罪心理学者と組ませて、その後を描いた続編が連載されていますから、この作品がちゃんと売れてくれれば、その後の活躍も確実というものです。
こういう作家さんが、世に出てきて欲しいなあと強く感じさせる作品でした。