リュドヴィック・スリマックのレビュー一覧

  • 裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす

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    かなり辛口。原著は2022年刊、原題は“Néandertal nu”、ありのままのネアンデルタール人。著者リュドヴィック・スリマックはネアンデルタール人の遺跡掘りで30年。なかでも、ロシア北西部、北極線近くのビゾヴァヤ遺跡(31,000-34,000年前)、フランス南東部のマンドラン洞窟(42,000年前)の発掘が有名。
    ネアンデルタール人はどのような存在であったか。いま、彼らをめぐる議論がかまびすしい。彼らの遺跡にも遺物にも触れたことのない人たちが、勝手な想像と、過度の外挿、拡大解釈、そして現在の自分たちの投影をもとに、あれやこれやいろんなことを言う。困ったもんだ。この30年に限ってみても、

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    2025年10月05日
  • 裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす

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    ネアンデルタール人はホモサピエンスより賢かったが、集団になる団結力でサピエンスに劣り、やがて滅んだ。しかし、彼らの遺伝子は一部サピエンスに継承されている。サピエンスとネアンデルタール人に平和的、あるいはその真逆の出来事が起き、いずれにせよサピエンスに取り込まれた。これまでの読書で身に付いたネアンデルタール人のイメージだ。本書を読んで少しイメージが変わった。

    ー 私はここで、人間と動物の区別は一切ないなどと言っているわけではない。私たちとネアンデルタール人に違いはないとも言っていない。ネアンデルタール人の本質をめぐる問いが、墓の存在や集団内の弱者への気遣いを証明することを出発点として提起される

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    2025年09月27日
  • 裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす

    Posted by ブクログ

     ネアンデルタール人が、ずっと気になっていて、定期的に関連書を追いかけて読書しています。
    本書は、ネアンデルタール人を、なぜ滅んだのか?美意識はあったのか?その精神構造とは?といった点から解き明かしていく内容で、赤道直下から北極圏まで、30年にわたって洞窟の地面を掘り続けたフランスの考古学者の考察が書かれています。

     ネアンデルタール人は約40万年前に存在していて、約4万年前に絶滅しました。
    本書では詳しく書かれていなかったと思いますが、サピエンスと交雑したということや、サピエンスとイヌがネアンデルタール人を絶滅させたという説や、彼らの遺伝子をマウスに導入するネアンデルタロイド製作プロジェク

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    2025年10月01日
  • 裸のネアンデルタール人 人間という存在を解き明かす

    Posted by ブクログ

    ネアンデルタール人の骨、遺跡は限られており、そこから彼らの文化考えを読み取ることはかなり難しい。
    原始的なホモサピエンスに近く、文化が花開いていたと考えたいのはわかるがそれは願望の反映でしかなく、実証に乏しいという見方。ちゃんと史料を分析して、曇りのない目で見てから言えということ。

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    2025年06月12日