小谷輝之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本屋で働いた経験があるわけではない小谷さんが、本屋をやり、自分の理想の選書、場所づくりを追い求めつつ、同時にそれを経済的にも成り立たせるよう尽力していく様子が丁寧に誠実に書かれている。
小谷さんはご自身を「読書家ではない」と書いており、本屋をやりつつそのように言うことは勇気がいるのではないかと思うが、しかしよく考えれば確かに、たくさん本を読むから本屋をやるわけではない。本を人に届けたい、あるいは本を通して人に何かを伝えたい、価値を作りたいと言うことが、本屋であることの中核なわけで、そういう意味で、世の中で言われる「本の虫・活字中毒的な人」が自分の趣味でやるのとは全然違うのである。
自分自身も昔から大量に本を読んでいたクラスタというわけではないので、「自分がたくさん本を読むから」と言うことだけでない、本屋をやることの意味みたいなものを考えることができてよかったように思う。
本書の中では、開店初年度からの売り上げ冊数など詳らかに書かれているが、 本屋、はじめましたのTitleの事業計画と実績と同様に、数字として参考にできるものは多い気がする。
あとは、選書の際に、出版社で「ここからは仕入れない」と決めているところがある、と言うのも面白い。ヘイト本など差別を助長するような本を出している出版社はお断り、と。そう言うのは、独立系書店でこそやれる良い取り組みだなと思う。 -
Posted by ブクログ
振り返ると、これまで独立系書店を立ち上げた方の書籍をそれなりに読んできました。元々本好きで文才があるのか、なかなか理路整然ときれいな文章を綴る人が多い気がします。
自分も書店経営に関心が…ということではなく、昔からただ単に個性的な棚に並ぶ本を眺めるのが好きなだけで、それをつくる人に関心がありました。
東京に行く機会があれば、なんとか時間を工面してあちこち独立系書店、時々美味しい珈琲を嬉々と巡って歩きます。「本とコ」を地で行きます笑。
私の住む田舎では無理な話で、書店が激減しています。立地条件を考えれば、仕方がないかもしれないのですが、横のネットワークを駆使して地方でも独立系書店が増えてくれないかと切望します。
全くレビューからズレてしまいました。本書は、東京大田区大森の新刊書店「葉々社」店主・小谷輝之さんが、書店の開業(2022.4)までと、開業後の日々を詳細に綴った記録です。
想いが先走って持論を強く展開させるわけではなく、小谷さんはお客さんとの信頼関係を結んだ先に見えてくる景色を、常に考え続けています。そこには、ただ眺めて待つのではなく、様々な工夫とアイディアを実践に移す“種を蒔く人“がいました。
他の業種の方と協働で盛り上げようと、仕事に誠実に向き合う小谷さんが経営する葉々社。オリジナル栞に印字されているという「考えるきっかけになる一冊を」の言葉が沁みます。実はまだ訪れたことがない書店の一つで、いつかは!という想いが俄然強くなりました。 -
Posted by ブクログ
東京にある独立型書店 葉々社の誕生したきっかけや開店してからのことが記される。独立型書店の始めたいと思っている人におすすめで、私も少し興味がある。
この本にはお金事情(売上や費用、粗利)が詳細に書かれていて大変参考になる。参考になると同時に、本屋を生業とすることの大変さが分かる。実際に葉々社は最初の2年は赤字とのこと(個人経営の書店で黒字にするのは恐らくかなり大変)。本が薄利多売な商材ということを痛感する。
それでも私は独立型書店が好きで、自分の家の近くにあったら良いのにと思うし、自分で開けたらなんて素敵なんだろうと思う。
大きい書店も好きだけど、情報量の多さに疲れてしまう。小さなスペースに店主が選び抜いた作品が並ぶ独立型書店だとそんなことは起きない。そんな所が好きだ。