山森英輔のレビュー一覧
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なかなか思うように進まない中での粘り腰の取材。面白かった。
途中から明らかに避けられてるし。
ヒグマの習性について記述があり、それがとても興味深かった。
人間に恐れられていたOSO18は、競争に敗れたヒグマの成れの果てだった、という展開は衝撃だった。
人里に降りてくるクマ達もまた、生き残るため、危険を感じながらも人間の生活圏に足を踏み入れる。正直可哀想に思う。
野生動物保護政策の結果が巡り巡って、今度は人の手で処分される動物達を生み出している、というのは滑稽でしかない。
「共存」とは何か、真剣に考えなければならないと警鐘を鳴らされたような思いだ。 -
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猛獣パニック、というジャンルは長きに渡り人気のある分野です。JAWSの鮫、ジュラシックパークのティラノサウルスに並び、日本では「ヒグマ」に対する畏怖があるように思います。吉村昭の「羆嵐」で描かれる三毛別事件を筆頭に、北海道のヒグマは今もなお圧倒的な存在感があります。
現代の北海道で数年にわたり60頭以上の牛を襲った「OSO18」というヒグマは、その呼称と凄惨な被害で大きな注目を集めました。
その「怪物」がいかにして生まれ、どのようにして斃れたのか。警戒心が強く姿を見ることができないために「忍者」とも言われたヒグマを追い続けたNHK記者のドキュメンタリーは、取材の様子が細やかに描かれていて読 -
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久々に一気に読み進めた本。
人間が名前を与えたことで、猟奇的な生き物に成り果てたヒグマの話。
このクマは加害者であり、被害者的側面ももつ。
牛の腹から内臓を引き出し肉を貪り続けた、この姿を見せないクマが、何故被害者的側面も持つのか。
読後は極めて後味が悪い。しかし、この後味の悪さは、抱くべくして抱くものだと思う。
ヒグマの生態の観点から、
疲弊した地方の観点から、
マスメディアのあり方の観点から、
ミステリー好きの観点からでも、
現実的な学びが多い本である。
映像を作る方々の著作だけあり、映像が浮かんでくる文体と構成。パワフルな本。お薦めです。 -
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ネタバレ自身が食べる以上に次々と牧牛を死傷させ、残された18cmの足跡から超大型の猟奇的なヒグマとして恐れられたOSO18。本書はNHKのディレクター2人がOSO18を追うドキュメントである。残念ながら生きたOSO18をテレビカメラに収めることはできなかったが、OSO18が処分された屠殺場を自ら探索して発見した骨からOSO18の正体を探る経緯は、当に調査報道というべきであり圧巻。足跡は追跡中から本当は16cmであり、標準的な体格のヒグマであることは判明していたが、OSO18の正体が判明したのはこのディレクターの功績。牛を食べることなく殺傷したのは単純に仕留める程の体格に恵まれなかったためである。基本的
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ネタバレ積読チャンネルにて紹介されていたので購入。本書の著者であるNHKのディレクター2人のガッツに拍手。ハンター達に煙たがられても何とか取材を続行しようとする姿が素晴らしかった。特に若いディレクターの有元さんが堆肥場からOSO18の骨を見つけるシーンはとてつもない執念を感じた。
OSO18自体はあっけない最期だったが、本書でも書かれている通りそのあっけない死から深く考えさせられることが多々あった。
約1000頭を捕獲したハンター集団の一員である赤石さんの写真がかっこよすぎた。70歳で1000頭のうちのほぼ半分を一人で捕獲したというのだから驚きだ。
最近特に熊被害のニュースが上がっているが、個人的に -
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OSO18(オソ18)と名付けられたヒグマ。
道東地域、標茶町を中心に2019年から4年にわたり牛を計66頭襲った。足形の横幅が18センチである事から大型のオスと推定された。一度に複数の牛を襲う。殺して食べるだけでなく怪我をさせるだけだったり、まるで、襲う行為を楽しむかのように。人前には姿を見せず仕掛けた箱罠も簡単に破り、2度とかからない。人々はあらゆる手段で捕獲、駆除を試みる。
異形のヒグマ、確かにそうだ。
草食と肉食両方兼ね備え、知恵もある。
広い地域に出没し、国道272号線を何度も横断している。無人カメラに写り込み、足形、糞があればその痕跡を追うが、見つからない。
「オレが仕留める」腕 -
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ネタバレ手に取るきっかけはラジオ内砂鉄堂書店の砂鉄さんの話を聞いていた息子の頼み。9歳には難読漢字が多く、ほぼすべて読み聞かせた。
評価は2か3で迷う。正直2だけれど、綿密な取材に敬意を表して3に。
NHKの2人のディレクターの取材記録。
これはノンフィクション?
OSO18を実際に目にできなかった2人だから仕方がないが、エピローグがポエムすぎる。OSO18の最期の描写(2人の想像)などはテレビ用の絵コンテを書き起こしたよう。
それ以外にも、ところどころがかなり客観性に欠ける決めつけのような表現があり、つっこみたくなる。自分たちをかっこよく書きすぎなのかもしれない。
ノンフィクションとしては微妙