墨屋那津子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
声は生まれつきのものだと思い込んでいた。話が伝わらないのは内容や話し方が悪いからだと。だが本書はその思い込みをいとも簡単にくつがえす。伝わらなさの正体は「声」にある、と。
声は感情や姿勢、呼吸の癖を映す鏡であり、意識すれば整え直せる技術だという。滑舌や抑揚以前に、相手に届く声の通り道があると説く。
一方で、聞き上手であることと、伝わる話し方は同義ではない。相手を尊重し耳を傾けても、自分の声が閉じていては言葉は届かない。
話す内容、話し方、そして声。この三つは別物だ。声を整えることは自己主張を強めることではなく言葉に居場所を与えることなのだ。