犬塚美輪のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【なぜ】ちくまプリマー新書×読書がらみ=読書嫌いだった自分を分析できるはずだ!!
【ここだけ】"表象構築"を大切にしよう(というか読書嫌いの時それができてなかったと思う)
【感想】
全10章のうち7章以降の内容が深い。ドッグイヤー率が20%。なぜ読書が嫌いから好きに変わったか、読書嫌いな人へ何を伝えられるかのヒントになった。
【メモ】
・適切な理解には97%の単語の理解が必要
・活字でしかなかなか使われない接続詞や言い回しがある、それは読書を通してしか学べない
・説明文と物語の差は、前者が普遍的なものに対し後者はより具体(主人公の目標のための行動)に注目していること
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Posted by ブクログ
文章を読むとはどういうことか、こんなに詳しく説明された本は初めて読んだ。
教育学部で学んでいた頃に出会えていたら、と思ったけれど、その頃読んでもあまりピンとこなかったかも知れない。
特にディスクレシアについては、障害についての認識が変わった今でなければ、こんなにページを割く必要があるのかと思っていたような気がする。
とても大事なことなのに。
最近の私の読書は静かな環境でという訳にはいかなかったのだけれど、ワーキングメモリを周りの音を聞かないことに使われてしまっているなんて考えてもみなかった。
以前よりも読んだ本の内容を覚えていないのは老化のせいだけではないのかも知れない。
ということにしてお -
Posted by ブクログ
仕事で毎日短時間で多くの連絡メモを捌く。
うっかり読み落としたり、十分理解できていなかったり。
本は好きで読んでいるが、自分の読解力は大丈夫なのか、と最近ふと思う。
そんなこともあって、本書を読むことにした。
本書は、認知心理学の知見から、読解のプロセスを詳述する。
最初に、読解や読解力を規定する。
そこにまずおおっ、と驚く。
読解とはまず、読んだものから表象(目の前にないもので、頭の中に思い浮かんだもの)を構築することだ、とされる。
この読解=表象構築にはふたつのレベルがある。
1)テキストベースの理解
書いてある内容が整理され、要約できる状態
2)状況モデル
書いてある内容が、読み -
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ネタバレ面白かった。
人間における「読む」というプロセスを認知心理学的に解き明かした良書。
難しい言葉ほとんどなく、専門用語も適宜説明と具体例が入れられており、わかりやすい。
本書の核である「表象構築」という概念と、その概念が持つ内実は、実際に本を読む前に少し意識するだけで、読解の質は上がるのではないかと思う。
文字同定→単語同定→意味認識→統語→文章同士の意味的つながりの認識というプロセスが、表象構築であり、そこから感情的読解と批判的読解へと応用することができる。
またワーキングメモリとスキーマの話や、読むときに用いる技術(読解方略)の話など、ためになる情報も書かれているため、読解のプロセス -
Posted by ブクログ
【星:4.5】
大学受験時代から、「読解力はどうやったらつけることができるのか」という疑問を長年持ち続けてきた私にとって、目新しい視点を与えてくれた。
本著では、認知心理学の観点から、読解に至るまでの人の認知プロセスを細かく、かつ丁寧に説明してくれている。
読解力のつけ方を説明する他の読解力本と違い、人が読解する際の仕組みを説明している点が目新しい。
読解力のつけ方という点からすると説明は弱いが、本著にも書かれている通り、読解力の全体像を描いてくれるため、どのような力をつければ良いかということをクリアにすることができた。
なかなか実りの多い1冊であった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『読めば分かるは当たり前?――読解力の認知心理学』読書メモ
【核心概念】
1. 読解力の三層構造
- 表象構築:文字面の理解(テキストベース)と既有知識を活用した深い理解(状況モデル)
- 心を動かす読解:感情移入や共感を通じた意味生成
- 批判的読解:情報の妥当性検証とスキーマ再構築
2. 認知機能の基盤
- ワーキングメモリ(4±1項目の容量制約)
- スキーマ(知識ネットワーク)
- メタ認知(思考プロセスの監視・調整)
【各章の要点】
第1章:読解を「表象構築」「感情移入」「批判的検証」に分類
第2章:ワーキングメモリの容量制約とス -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む過程で何が起こっているのか、細分化されていて面白かったです。
小学校に通い始めて有無を言わさずに文字を、文章を、読み始める。
読むことの目的について、著者は3つあるという。
1. 表象を構築する
テキストベースではあらすじなどをたどる。
状況モデルでは、頭の中に再現する。これは自分のもつ知識とのつながりの中で作り出される。
1. 心を動かす
自分の情動に結びつける
1. 批判的に判断する
これも自分の知識や思考と結びつける
読み方については、
与えられた情報から始まる、ボトムアップの方法と、
読む前にすでに自分の中にある情報から始まる、トップダウンの方法を
区別す