伴野準一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
安保前夜から安田講堂事件辺りまでを中心に、
学生運動を当時の関係者の話を交えながら追っていく。
ぼんやりと時系列的な流れはある程度理解できたのだが、
この時期の学生運動の正体がやはりよくわからなかった。
結局革命が起こればユートピアの実現に繋がるという
前提で動いていたのだろうか。
彼らの行動からはデモ以降の具体的なビジョンは見えなかった。
革命を起こすことについてもどこまで真剣だったのか良く分からない。
これだけ読むと手段が目的化しているようにしか捉えられなかった。
最後当時の人があれはあれで良かったんだ、
ということを言っていたけれど、全く共感できず。
それも結局は私がその時代に生きて -
Posted by ブクログ
●:引用
●日本復興の希望とともに始まった新左翼運動は、やがて怒りへと変質し、ついには狂気へと墜ちこんで終末を迎えた。それはほとんど何の成果も残すことができなかった悲しい物語である。そしてそれが物語であるならば、物語のように書かれなければならない。私はそう考えた。
●自分たちがその一翼をなした新左翼運動を、そして戦後学生運動を、彼ら自身が総括することは決してできないのだと私は悟った。(略)しかし彼らが自らの青春を思うとき、そこに甦るのは狂気に落ちこんでしまった運動の陰惨な末路ではなく、正義感に燃えた自らの熱い思いであり、怒りの拳を天空に突き上げた若き日の思い出なのだ。(略)誰もがそれをわかっ