山田裕樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
■あらすじ
小説好きゆえ文芸編集者を志し、念願叶い集英社に入社した著者。いきなり先輩編集者から『小説を読むな、淫するな!』と全否定を喰らい、作家と格闘することを誓う。
正しくは作家ではなく原稿と闘い、傑作が本になるまでの作家との関わり、作品誕生の背景等、多彩なエピソードに綴られた『文芸編集バカ一代』。
■内容
僕は、及び腰で作家のもとを訪ねていた青二才が集英社の名物編集者となるまでの『成長物語』として読んだ。
駆け出しの編集者だった著者は、筒井康隆からはこれから注目すべき若手作家の名前を挙げ、『早晩出てくる世代の本を読みまくって、彼らが売れる前に親しくなり、彼らの出世作を造りなさい』と〈 -
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白かった!
版元さんごとの毛色というか、こういう経緯だったんだなぁ。
出てくる作家さんは、そういえば皆集英社さんのイメージがある。
「かすかな視点の乱れ」のくだりもすごく面白かった。商業出版されるということ、編集者がつくということについてわかった気がする。
特に膝を打ったのは、川上健一さんの章で
十年ぶりに作った本が売れて「川上さんの絶版同然の集英社の過去の作品も蘇って売れ始めた。私は他社から川上さんの絶版本を何冊かもってきて、集英社文庫に入れた。」
当たり前なのかもだけど、なんだか目が覚めるようだった。
あと、余談で、グレート・カブキさんって本当に凄かったんだな。
居酒 -
Posted by ブクログ
著名な編集者さんらしいのだが、存じ上げない。
つか、装丁とか、編集さんとかに「個人名」があるとも思っていなかった。
こうして読ませてもらうと、本という作品を作り上げるのは、作家だけでなく、そういう意味では「文章」すら素材の一つであって、沢山の人が一緒になって仕上げていくもんなのだと改めて思った。
個性なんだなあ。
多分、作家先生の才能と勢いを吸い取ってしまって、一時的にヒットさせて枯渇させるような編集者さんもいるんだろうなと思う。
作家先生と対等に、その作品をより良く仕上げていくには、編集の方も恐るべき才能と経験と何かがいるんだわ。
漫画家の先生につく編集者だと、結構先生が若造だったりす