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1980年代~90年代、日本のエンターテインメントに大きな波が起こり、新しい時代が始まった。そのただ中で、担当する作家たちの代表作を造り続けた編集者がいた。北方謙三、佐藤正午、椎名誠、逢坂剛、船戸与一、夢枕獏、東野圭吾、唯川恵、山本文緒、川上健一……。40年以上担当した北方謙三の作品群だけでも、発行部数は一千万部をはるかに超える。作家達との濃厚で魅力的なエピソードを綴る伝説の文芸編集者の傑作エッセイ。
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Posted by ブクログ
■あらすじ 小説好きゆえ文芸編集者を志し、念願叶い集英社に入社した著者。いきなり先輩編集者から『小説を読むな、淫するな!』と全否定を喰らい、作家と格闘することを誓う。 正しくは作家ではなく原稿と闘い、傑作が本になるまでの作家との関わり、作品誕生の背景等、多彩なエピソードに綴られた『文芸編集バカ一代...続きを読む』。 ■内容 僕は、及び腰で作家のもとを訪ねていた青二才が集英社の名物編集者となるまでの『成長物語』として読んだ。 駆け出しの編集者だった著者は、筒井康隆からはこれから注目すべき若手作家の名前を挙げ、『早晩出てくる世代の本を読みまくって、彼らが売れる前に親しくなり、彼らの出世作を造りなさい』と〈預言〉を賜り、小林信彦からは担当編集者として接する中で、書籍編集の〈心得〉を授かる。 この2つが文芸編集者としての道標となり、経験を重ねていくうちにひとつの編集手法を生み出す。 原稿を読むや『いやぁ、面白かった!もっと面白くする方法があります』と繰り出し、修正・加筆を求める。この肝の座ったダメ出しが数多くベストセラーを生んだ。 このダメ出しが成立した背景には、著者の幼い頃からの膨大な読書量がある。そこから導かれた見解には海千山千の作家も承服せざるを得ず、書き直しに向かわせた。 以来40年余り、集英社の編集者として数多の作家と向き合い、手がけた本は350冊超。関わった作家は森瑤子・筒井康隆・小林信彦・北方謙三・椎名誠・逢坂剛・船戸与一・佐藤正午・夢枕獏・東野圭吾・唯川恵・山本文緒・川上健一・高野秀行…と錚々たる面々。 傑作誕生秘話、作家の横顔とアナザーストーリーも織り交ぜ、それは格闘記というよりは並走記である。 ■感想 一口に編集者といっても、雑誌編集者と文芸編集者の2つに分かれ、その内容は似て非なるものである。文芸編集者の仕事を端的に言うと、出版プロデューサーとなる。 まぁ、それは皆が皆そうなれるわけではない。有能編集者だからなせる芸当で、巧い遊撃手がヒット性の打球を軽々アウトにするように、自ずとカバーする範囲は次第に広くなっていく。 文芸編集者の仕事とは? ①作家の生原稿を読み込み、出版の可否を判断。 ②出版化が決定しても、作家の面目・プライドを考慮に入れたダメ出しを繰り返し、脱稿まで粘り強く接する。 ③出版社内の販売部・宣伝部も巻き込み、作品の出来栄えを熱っぽく伝え、販売・宣伝担当者をその気をさせ、販促にも関わる。 小説家は物語を綴り、編集者は原稿を一冊の本にすべく相応しい内容に仕立て上げる。『書く』と『編む』の分業。愛読者に、新たな読者を増やすために、編集者はいかにして読んでもらうか…に心血を注ぐ。 電通中興の祖 吉田秀雄氏は仕事の掟を『鬼十則』という形で表した。もし、著者が『編集鬼十則』を書くとすれば、どんな掟を書くだろうか。編集者志望の人たちに向けて、編集に携わる者に向けて、そのレガシーを書き残すべきではないか。現役編集者よ、動くべし!
集英社でエンタメ小説中心に編集してきた人が回顧する、北方謙三、逢坂剛、船戸与一らのベストセラー作家の、初期の頃にどう評価したのか、どう書き直させたのか。 めちゃくちゃ面白かった。エンタメ小説好きの人必読。出版業界の裏話多数。
文芸担当の編集者がどのような仕事をしているか気になり読んでみた。 特に成果を上げた方なので、真似できるようなものではないと思うが、ベストセラーの裏話は興味深い。 出版に興味を持った学生や、本社で出てくる本のファンにはオススメ。
めちゃめちゃ面白かった! 版元さんごとの毛色というか、こういう経緯だったんだなぁ。 出てくる作家さんは、そういえば皆集英社さんのイメージがある。 「かすかな視点の乱れ」のくだりもすごく面白かった。商業出版されるということ、編集者がつくということについてわかった気がする。 特に膝を打ったのは、川...続きを読む上健一さんの章で 十年ぶりに作った本が売れて「川上さんの絶版同然の集英社の過去の作品も蘇って売れ始めた。私は他社から川上さんの絶版本を何冊かもってきて、集英社文庫に入れた。」 当たり前なのかもだけど、なんだか目が覚めるようだった。 あと、余談で、グレート・カブキさんって本当に凄かったんだな。 居酒屋をされていたときにお邪魔したけど、ニコニコいつも優しくて、現役時代の様子を知らなかったので。ああでも、たまにファンの人を見かけたら涙ぐんでたな。
著名な編集者さんらしいのだが、存じ上げない。 つか、装丁とか、編集さんとかに「個人名」があるとも思っていなかった。 こうして読ませてもらうと、本という作品を作り上げるのは、作家だけでなく、そういう意味では「文章」すら素材の一つであって、沢山の人が一緒になって仕上げていくもんなのだと改めて思った。 ...続きを読む個性なんだなあ。 多分、作家先生の才能と勢いを吸い取ってしまって、一時的にヒットさせて枯渇させるような編集者さんもいるんだろうなと思う。 作家先生と対等に、その作品をより良く仕上げていくには、編集の方も恐るべき才能と経験と何かがいるんだわ。 漫画家の先生につく編集者だと、結構先生が若造だったりするので、また違うのだろうし、大衆漫画はあっても、純漫画なんかないだろうし。 面白かった。 が、ここで挙げられる作家先生のうち、読んだことがあるのが夢枕獏先生だけで、しかも大して好きでもなかった事実。 古典なんぞも、教科書か、小学校のときに読んだ子ども向け全集でしかないことに改めて気がついて愕然としてる。
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山田裕樹
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