チェ・テソプのレビュー一覧

  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    歴史を追って韓国の男性性がどう形作られてきたかを概観することができる良著。

    朝鮮王朝時代の両班である士大夫は、官職を出すため、家族をかえりみず、学問に励むことが美徳とされ、学者が武者を見下してきた文化、何もしないため、女性が家計を支え家事労働も全て請け負ってきた、というところで神戸のおじいちゃんとおばあちゃんを思い出した。

    朝鮮王朝時代のヘゲモニックな男性性は家族や国を守ったりすることではなく、徹底した無能力ぶり、とは著者の言葉。生産、再生産は女性と下層身分に押し付け、自分たちだけで名誉と権力を分かち合ってきた、らしい。


    しかしこのような男性性のあり方は、近代に入り西欧列強や日本の侵略

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    2025年05月01日
  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    ネタバレ

    男性でこういう考察が出来るのがすごい。ぜひ武田砂鉄さんと日韓男性問題について論じて欲しい…

    家父長制の名残があるところは日本も韓国も似てるなと思っていたけど、背景にある歴史がまったく違うことが本書を通して実感できた。
    巻末の解説にもあるけど、韓国の人たちにとっての兵役や戦争を知ることで、韓国の作品のなかに出てくる家族のあり方やK-POPの文化的背景を理解する手がかりになる一冊。

    ミラーリングのミラーリングを試みようとした男性たちが「韓国女子とセックスするのをやめよう!」という勇ましい主張をしたが、これほど女性たちから大歓迎されたものもなかった、に大ウケ。

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    2025年04月26日
  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    “「男子(ナムジャ)」はつらいよ でもその傍で みんながもっと生きづらいよ” という帯文が端的で秀逸だと思う。女性として日本人として揺さぶられながら複雑な思いで読んだ。男性が自らの男性性について内省して考察してくれるこういう本をもっと読みたい。



    “韓国男子として30代半ばを迎えた自分自身の直面している悩みも作業の動機だった。その悩みとは、誰かを抑圧することなしにひとりの主体として、また、他人と連帯しケアを行う者として生きていけるのかという問いである。思うに、男というアイデンティティを突き詰めることなしには、その問いへの答えは見つからないはずなのだ。”(p.11)


    “異性愛に基づく「正

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    2025年02月06日
  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    これは勉強になる。特に女性嫌悪しながらも
    理想の(実在しない)女性を求め、それに当てはまらなければ叩くというやり方を考えるとなんとも言えない気分になる。

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    2025年08月26日
  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    現在の韓国におけるフェミニズムと、それに対する男性からのバックラッシュの歴史と現状について述べた本。フェミニズムの立場からの本なので、ある程度のバイアスがかかっていると想像されるが、正直、韓国社会との接点をあまり多く持たない私には、何が真実なのか、判断する術は無い。
    しかし、現代韓国社会の一面として、このような問題が提起されていることを知っておく事は重要なことだと思われる。
    なお、男性である私としては、読み通すのに、それなりの苦痛があった事を告白しておく。

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    2025年07月10日
  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    日本と韓国の男性性を(女性性を)めぐる色々を、似てたり似てなかったりするんすねと考えながら。

    植民地支配や朝鮮戦争、光州事件などに要請され鋳造された「男らしさ」。
    西洋のコピーのコピーとしての家父長制
    兵役が韓国の男性たちに植え付ける闇
    貧困故に家族に依存し、結果的に解体されない不平等な構造

    自分をケアし、程よく自立し性的に喜ばせてくれる女性を求め、手に入らないと「女はずるい」と被害者のポジションを手放さない

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    2025年01月04日
  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    韓国の家父長制、その下で育まれてきた男性性の問題点について、丁寧にわかりやすくまとめられている。批判の一つ一つも極めて鋭く、なるほどと膝を打ったりわが身を省みたりもした。

    ただ批判が先立っていて、考え方を整理していくと一つにまとめられない所も見られる気がした。(例えば能力主義に対する態度; それに乗っかって女性の優位を主張するところと能力主義自体を根本的に批判するところが斑模様だったり)
    あとメガリア的なものについて(理解はできるが)しっぺ返し戦略を続けてると分断が深まる一方ではという個人的な疑問も残った。

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    2025年10月06日
  • 韓国、男子――その困難さの感情史

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    Kカルチャーに興味をもち、違和感も時に感じる中で興味深いジェンダー論。歴史の流れから似ている部分と異なる部分どちらもあるが、誰かを抑圧せずひとりの主体として、他人と連帯して生きていかねばならない我々が向き合い続けなければならない話。対岸ではない。

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    2025年07月06日