上野庸平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新興宗教×アフリカという非常にニッチなところを丁寧に現地へのフィールドワークで取材したルポルタージュ。
解説にあるように新宗教に関係ある人向けの情報という側面が強いが、多くのアフリカ人になぜ日本の新興宗教がそれなりに受け入れられているのかという疑問によく答えてくれていると思う。
そして日本のメディアでは新興宗教というのはある意味で偏見前提で語られることが多いが、著者はそれぞれの宗教の成り立ちから基本教義まで一応それなりに理解したうえでフラットな視線で語っており信頼もおける。
日本で悪名含めて有名な宗教からそうでないものまでいくつかの宗教が紹介されているが、惜しむらくは取材時期が10年以上前な -
Posted by ブクログ
周縁論の一環として読んでみた本。
特に新興宗教にはネガティブなイメージも強く、それとアフリカとの組み合わせで何が起こっているのだろう、という好奇心もあり読んだ。
実際に読んでみると、意外な話も多かったが、思ったよりも実直に普及がされていた。
特に(1)アフリカのアミニズムとの親和性、(2)キリスト教に対する仏教の合理性、(3)カネになりそうというアフリカ人の現実主義、という組み合わせが背景にあることはなるほどと思えた。
その上で、アフリカにおいてはアフリカなりの合理性や文化があって、信仰が根付いている姿が、地に足の着いた筆致で描かれててとても参考になった。アフリカ、という遠い場所と新興宗教 -
Posted by ブクログ
アフリカと新興宗教という、一見まったく結びつかない組み合わせに興味をひかれた。この二つがどう関連し得るのか全く想像がつかなかったが、読み進めるうちにその背景や理由に「なるほど」と納得させられた。
特に印象的だったのは、宗教が広がる現実的な理由だ。読み始める前は、現地の人々が宗教に寛容であり、教義の内容が彼らの文化や価値観に合致しているから広がるのだと考えていた。だが、実際にはそれだけでなく、ご利益(金銭的支援)や、戦争時に国外逃亡が容易になるといった実利的な側面が非常に大きな役割を果たしていることが描かれていた。この点には「確かにその通りだ!」と強く共感させられた。
意外な組み合わせと言えば、 -
Posted by ブクログ
新宗教の話が好きだ。信仰の対象としてじゃなくてヲチするネタとしてだけど。おもしろい教義、変な建築、伝統宗教のコラージュ…。その手の話が好きで、遠い国の話も好きな私はとても興味深く読んだ。
日本では怪しさ爆発してるあの団体やこの団体も、ブルキナファソ、コンゴ、コートジボワールなんかに進出すると意外と現地の文化をちゃんとリスペクトして既存の宗教ともケンカせずにうまいこと地元コミュニティに根を下ろしているみたいだ。そもそも教団が積極的に布教を試みたというよりは、なんらかの事情で現地に住むことになった日本人が地道に活動して周囲に信者を増やしていった感じなのね。
創価学会や真如苑がアフリカ人にとって -
Posted by ブクログ
コンゴ、ウガンダ、ガーナ、ブルキナファソ、コートジボワール・・・アフリカ各国で著者が出会ったのは、なんと日本の新宗教を信じる現地住民たちだった。統一教会、創価学会、真如苑、崇教真光、幸福の科学、ラエリアン・ムーブメント、天理教などを信じる彼らの生活や思い、現地での実像や人気の理由に迫る、唯一無二のルポ。
統一教会の問題でまた注目されつつある新興宗教。まさかのアフリカでこんなに広がりを見せていたなんて全く知らなかったのでびっくり。信者も貧しいからあまりお金を持ち込んでくれなそうだけど、と思ったら、わりと真面目に(?)布教している人もいるんですね。まあむしろおこぼれに預かろう、くらいの人も多いんだ