【感想・ネタバレ】ルポ アフリカに進出する日本の新宗教 増補新版のレビュー

あらすじ

コンゴ、ウガンダ、ガーナ、ブルキナファソ、コートジボワール……アフリカ各国で著者が出会ったのは、なんと日本の新宗教を信じる現地住民たちだった。統一教会、創価学会、真如苑、崇教真光、幸福の科学、ラエリアン・ムーブメント、天理教などを信じる彼らの生活や思い、現地での実像や人気の理由に迫る、唯一無二のルポ。その後の情報を追記し、新章を増補。解説 安田峰俊

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Posted by ブクログ

新興宗教×アフリカという非常にニッチなところを丁寧に現地へのフィールドワークで取材したルポルタージュ。
解説にあるように新宗教に関係ある人向けの情報という側面が強いが、多くのアフリカ人になぜ日本の新興宗教がそれなりに受け入れられているのかという疑問によく答えてくれていると思う。
そして日本のメディアでは新興宗教というのはある意味で偏見前提で語られることが多いが、著者はそれぞれの宗教の成り立ちから基本教義まで一応それなりに理解したうえでフラットな視線で語っており信頼もおける。

日本で悪名含めて有名な宗教からそうでないものまでいくつかの宗教が紹介されているが、惜しむらくは取材時期が10年以上前なので今はかなり状況が変わっていると思う。
文庫化にあたり少し補完されているところもあるが、もう少し最新の状況についてもアップデートが欲しかったなと思う。

しかし、なぜアフリカ人の心に仏教を始めとした日本の宗教が刺さるのかなどをもっと学ぶことで宗教の普遍性や価値など改めて実感することが出来たかなと思う。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

周縁論の一環として読んでみた本。
特に新興宗教にはネガティブなイメージも強く、それとアフリカとの組み合わせで何が起こっているのだろう、という好奇心もあり読んだ。

実際に読んでみると、意外な話も多かったが、思ったよりも実直に普及がされていた。
特に(1)アフリカのアミニズムとの親和性、(2)キリスト教に対する仏教の合理性、(3)カネになりそうというアフリカ人の現実主義、という組み合わせが背景にあることはなるほどと思えた。

その上で、アフリカにおいてはアフリカなりの合理性や文化があって、信仰が根付いている姿が、地に足の着いた筆致で描かれててとても参考になった。アフリカ、という遠い場所と新興宗教の組み合わせの意外性は確かにフックだったが、信仰と言うモノの普遍的な意味を考えさせられた

統一教会について、アフリカ人は貧しいので収奪をしない。そう考えると、バブル前後の新興宗教の起こした様々な事件は、宗教の問題というよりは、詐欺的手法の一つつの手段としてたまたま宗教が使われただけの気もする。それは確かに信仰という脳機能をハックする者であったが、それがいまであればフェイクとか、真実を巡る認知機能がハックされつつある。

「原理と摂理」の話は自分としてもテーマであり考えさせられた。
また、ラエリアンでテレパシーをする子供のエピソードも、それはたまたま信仰の対象が異質なだけであって、我々にとっての神様とそこまで変わらない、ということにも普遍性を感じた。

特異なエピソードがみられたわけではないが、それゆえに、宗教の普遍的なところの肌感覚をひとつ補強できた気がする。

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

「アフリカ✕新宗教とは、極北のテーマ同士の究極の掛け算のように思える」と解説。自分もタイトルに表面的に惹かれて読んだが、アフリカのこと、日本の新宗教のこと、それぞれ自分のものの見方は深まった。解説を書かれているかたの「さいはての中国」も気になる。中国もアフリカも一言で語るには広すぎる。

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2025年05月18日

Posted by ブクログ

まずはアフリカ人の宗教に対する考え方が大らかというかカルト前の牧歌的な雰囲気がある。アフリカまで宣教する新宗教も凄いが実際に日本に来られるアフリカの方々もパワフル。こういう行動力は見習いたい。

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

アフリカと新興宗教という、一見まったく結びつかない組み合わせに興味をひかれた。この二つがどう関連し得るのか全く想像がつかなかったが、読み進めるうちにその背景や理由に「なるほど」と納得させられた。
特に印象的だったのは、宗教が広がる現実的な理由だ。読み始める前は、現地の人々が宗教に寛容であり、教義の内容が彼らの文化や価値観に合致しているから広がるのだと考えていた。だが、実際にはそれだけでなく、ご利益(金銭的支援)や、戦争時に国外逃亡が容易になるといった実利的な側面が非常に大きな役割を果たしていることが描かれていた。この点には「確かにその通りだ!」と強く共感させられた。
意外な組み合わせと言えば、シュルレアリズムのディペイズマンを想起する。あるものを本来あるはずのないと思われる場所に置くことで強い印象を与える手法だ。アフリカという意外な場所に置かれた新興宗教が、現地のコミュニティーに溶け込み、現地信者の生活の一部になっている様がリアルに書かれていて、新鮮な面白さを感じた。

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2024年12月22日

Posted by ブクログ

新宗教の話が好きだ。信仰の対象としてじゃなくてヲチするネタとしてだけど。おもしろい教義、変な建築、伝統宗教のコラージュ…。その手の話が好きで、遠い国の話も好きな私はとても興味深く読んだ。

日本では怪しさ爆発してるあの団体やこの団体も、ブルキナファソ、コンゴ、コートジボワールなんかに進出すると意外と現地の文化をちゃんとリスペクトして既存の宗教ともケンカせずにうまいこと地元コミュニティに根を下ろしているみたいだ。そもそも教団が積極的に布教を試みたというよりは、なんらかの事情で現地に住むことになった日本人が地道に活動して周囲に信者を増やしていった感じなのね。

創価学会や真如苑がアフリカ人にとっての「仏教」の入り口になってるって話には苦笑。いやまぁ確かに伝統的な仏教って熱心に布教しないもんな…。

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2024年12月18日

Posted by ブクログ

アフリカはもともとアニミズムが残っているし、キリスト教徒融合したり、現世利益を求める人もいるし、と、色々な宗教の受け皿になりやすいらしい。 ただ、「ここにはこんな新宗教が進出している」という目新しい知識を公開しているだけのような感じで、もう少し掘り下げた考察があったらもっと面白いだろうにと思う。

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2025年07月19日

Posted by ブクログ

コンゴ、ウガンダ、ガーナ、ブルキナファソ、コートジボワール・・・アフリカ各国で著者が出会ったのは、なんと日本の新宗教を信じる現地住民たちだった。統一教会、創価学会、真如苑、崇教真光、幸福の科学、ラエリアン・ムーブメント、天理教などを信じる彼らの生活や思い、現地での実像や人気の理由に迫る、唯一無二のルポ。
統一教会の問題でまた注目されつつある新興宗教。まさかのアフリカでこんなに広がりを見せていたなんて全く知らなかったのでびっくり。信者も貧しいからあまりお金を持ち込んでくれなそうだけど、と思ったら、わりと真面目に(?)布教している人もいるんですね。まあむしろおこぼれに預かろう、くらいの人も多いんだろうけど。欧米と比較して宗教の違いにはある程度寛容なんだなと感じた。それ以上に内戦や国同士の戦争が多く、そんなことで争っていられないのかもしれないけど。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

アフリカの人たちからしたら、創価学会も真如苑も「要するにブッダの教えでしょ」的な?
まあ、私もキリスト教のカトリックとプロテスタントの違いとかわかりませんし。
アフリカ各国を行き来して、実際に信者を訪ね歩く行動力には恐れ入りました。

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2025年04月27日

Posted by ブクログ

幾重もの意味で知らない世界。各宗教の説明興味深く読んだが、一方で人間側が薄く感じた。信者それぞれの背景になる社会や環境をもう少し書いてもよかったのでは。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

調査内容はおもしろいし新たな発見もあったけど、文章力と著者の行動力が控えめでワクワク感が全くなかった。
ルポって著者の「そこまでする~~~?!」みたいな異常な行動力が命だからなぁ、残念

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2025年02月21日

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