里見龍樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
里見龍樹「入門講義 現代人類学の冒険」(平凡社新書)
著者は大学院の社会学の研究が行き詰まったことをきっかけに人類学への転向を目指し、いきなりソロモン諸島のフィールドワークに出かけた。ところが人類学の基礎を学んでいないこともあり、現地で何をすればよいのか、何を見てどうレポートすればよいのか途方に暮れたという。また同時に人類学という学問自体も転換期にあり、ただ異文化に没入してレポートを書けばよいという時代は終わりつつあったと。そういう体験を踏まえて現代の人類学がどう変わってきたか、今日のフィールドワークでは何が大切か、などを講義形式で解説している。
20世紀のはじめ、それまで現代文明に向かって -
Posted by ブクログ
現代人類学という馴染みはないけど気になるジャンルが気になって頑張って読んでみました。
最後のほうはやや力尽きてざっくり読みになっちゃいましたが、本の最後のほうに記載されていた、社会の”当たり前”が行き詰まりつつある中、それを乗り越える為の可能性を提示できるかもしれないのが現代人類学、といったことが書いてあり、資本主義に明らかな欠陥が見えていてAIの登場で世界がより混沌としていく人新世の中で、確かにそうかもって思いました。
SNS・インターネット・AI等からの情報収集から一定の距離を保ちつつ、フィールドワークを行い自分自身で感じて考えて整理して道を切り開くといったプロセスこそが、人間の豊かな -