待川匙のレビュー一覧

  • 光のそこで白くねむる

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    ネタバレ

    文章の上手さが異常。
    導入部分は平易に思えるが、徐々に難解になり、後半は何がなんだかわからなくなる。

    にもかかわらず、文章の上手さから言葉は確実に読み手の脳に注ぎ込まれ、脳が強制駆動させられる感じ。

    テーマはなにか? そもそもテーマはあるのか?
    一度、読んだだけではわかりませんでした。
    読み手により景色が変わる騙し絵的な作品なのかもしれない。

    ですが、以下のあたりに作者の思いがあるように感じます。

    “子供という殻が破られて、すべてがすっかり変質し、ほとんどべつのものになることで大人になるのではなくて、子供時代というのは、琥珀のなかに閉じこめられた昆虫のように、ずっとそのままのかたちでそ

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    2024年11月18日
  • 光のそこで白くねむる

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    何が本当で何が嘘なのかわからなくなってくるし、さらっと書いているけどなんか怖いこと書いているよねってなるし、読んでいて頭がグワングワンするのが好ましい。

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    2025年01月08日
  • 光のそこで白くねむる

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    語り合う者も語られている事も最後まで曖昧で噛み合うことがない。虚実どちらも存在しない気持ち悪いこの空間は、小説だからこそ立ち上がり、魅力を放つものだと思う。おどろおどろしく書かれていないのに下手なホラーよりホラーで揺すぶられた。すごく良かった。

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    2024年12月03日
  • 光のそこで白くねむる

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    静かに淡々と紡がれる言葉に心を穏やかにさせます。
    十年ぶりに故郷に帰った「わたし」は、ある人の
    墓参りにいくところだった。
    小学生の頃に亡くなった幼馴染の「キイちゃん」との思い出に導かれ過去の自分や失踪した父、汚言機械の祖母、違う街に引越した母など、紡がれる
    思い出を淡々といるはずのない、「キイちゃん」と
    会話していく。 
    新人でこんな作品を描くとは、びっくりしました。情景を思い浮かべながら読めてとても良かったです。

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    2024年11月23日
  • 光のそこで白くねむる

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    わたしの曖昧な記憶とキイちゃんの記憶との相違。何れにしても淡々とした描写なのに闇深く、時々息をするのを忘れた。

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    2024年11月22日
  • 光のそこで白くねむる

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    ネタバレ

    頭の中に広がる景色は白っぽく柔らかい光に終始包まれているのに、不穏さが流れ続ける小説。

    前触れなく「おれ」として語りかけてくるキイちゃんがこの作品のびっくりポイントだけど、個人的にいちばん怖かったのはバイト先の店主の無差別殺人。直前に退職金(?)渡してくるのも怖い…ネットニュースで知るのも怖い…そりゃ寝逃げするしかない。

    キイちゃんと主人公の主張は段々と食い違っていくが、キイちゃん側を信じれば、主人公は幼い頃、暴力的で、それを抑えられなかった子供であったことが分かる。(いじめを受けたり家庭も良好ではなさそうだから、色んな理由はあると思う)
    主人公自身のエピソードを読んでも、たぶんそっちが本

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    2025年12月05日
  • 光のそこで白くねむる

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    3.5/5.0

    最後までこの小説の芯の部分を掴めなかった、というのが正直なところ。
    死者が語りかけてくるという設定に、最後まで空想と現実の間を漂うような浮遊感。それ以上のものが今の自分には理解出来なかった。
    もっと「人間」を浮かび上がらせて欲しかった。

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    2025年10月13日
  • 光のそこで白くねむる

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    村田沙耶香さんが紹介していて、好みそうと思ったのと「光のそこで白くねむる」というタイトルに惹かれて。「そこ」と「ねむる」が平仮名なのがすごく不思議なバランスで特別な言葉のように感じる。
    主人公の性別も語られる記憶も曖昧でどこか現実味がない。独特な文章のリズムが好きでもっと進みたくなるけど、引き返せなくなるような気がする。表面上は穏やかで静かな佇まいでありながら暴力的な衝動を抱えているような、なんだか見てはいけないものをうっかり覗いてしまった感覚。

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    2025年09月20日
  • 光のそこで白くねむる

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    ネタバレ

    わたしがどんな人か分からないのがおもろかった。キイちゃんも分からなければ私がやったことも分からない。過去の憧憬と現在が入り交じってふわふわする感じ、読みにくくは無かった

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    2025年08月31日
  • 光のそこで白くねむる

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    不協和音みたいな小説。
    全体的に薄暗いイメージで、なんとなく鬱屈した空気が漂いながらも言葉は美しい。「こういう表現をする人がいるのかぁ」ってちょっと感心してしまった。
    主人公の主観とキィちゃんの言葉がどんどん食い違って、現実がどちらかわからなくなるけれども、たぶんキィちゃんの言うことが本当なんだろうな、という気がする。祖母の「加害者加害者」のセリフがじんわり効いてくるのが怖かった。

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    2025年08月08日
  • 光のそこで白くねむる

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    ずっと帰ってなかった育った地方、幼馴染のキイちゃんの墓参りに行くその道程で立ち昇ってくる記憶と妄想の世界。何が本当でどこが嘘で、精神の崩壊もじわじわと感じさせられて、主人公の行く先が恐い。

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    2025年03月12日
  • 光のそこで白くねむる

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    何が本当にあったことで、何が幻想なのか。破壊者や加害者と祖母に言われ続けて育った子ども、何を考えているかわからない父親との岬の崖の場面。淡々と書かれているけれど、意識の底の方に沈んでいる穏やかでない出来事の断片に不気味さを感じた。

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    2025年03月05日
  • 光のそこで白くねむる

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    ネタバレ

    初めて読んだ文藝賞受賞作品。
    静謐な空気感と精神の異常性がすごくアンバランスなんだけどそれが流れるような文章で入ってくるから、読んでてフラフラしてくる。
    まるでめちゃくちゃゆっくり進むジェットコースターに乗ってるような感じというか、今まで体験したことのない不安感を覚えた。
    普段よく読むミステリは、エンタメとして面白ければそれで良しだったけど、純文学系は読み終えても「つまりどういうこと??」ってなって感想の出力ができないのであまり読んでこなかったけどこの本は最初から最後まで面白くて読めた。
    でもなぜこの本を面白いと感じるのかさっぱりわからないから、感想を言語化して整理せざるを得ない、そんな小説だ

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    2025年03月02日
  • 光のそこで白くねむる

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    ネタバレ

    わたし、店主、副店主、男、祖母、母、父親や先生、お兄ちゃん……の中にいる固有名詞キイちゃん。どこかがおかしいと思わせる世界の中で淡々と話が進むところは、少し小川洋子さんを思い出す感じがした。

    (中略)疲れにしてもちょっとおかしくて、これは風邪かもしれないと思った。そう思うと、鼻のなかからわずかに変わった匂いがしはじめた。諦めよう。

    初めの方のこの部分、好き。

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    2025年01月21日
  • 光のそこで白くねむる

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    書き出しは、執拗なまでの自分が見えてる世界の描写。
    中盤から不穏になり、平衡感覚を失います。
    ちょっと、今村夏子の『こちらあみ子』を彷彿とさせる。いや、おまえ…、てなる、なんとも言えない感覚になります。

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    2025年01月16日
  • 光のそこで白くねむる

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    死んだ幼馴染とのやり取りは、無邪気さと純粋さと暴力性がゆるく混ざってて夢の中みたいな不思議な感じがした
    ホラーなのか?これは……

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    2025年01月12日