福木はるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
沖縄在住の中学二年生の萌々。太めの体型を気にしながらも自虐とノリの良さで、クラスメイトや友達ともまあまあ上手くやれている……そう思っていた。
イケメンで人気者の由快と家が隣同士の幼馴染み、しかも誕生日も同じだということがクラスメイトにバレてしまい、萌々に対する匿名の嫌がらせが起こり、その均衡が崩れ始めた。何を言われても自虐の笑いに持っていき、傷付いていることを友達にも言えない、そんな鬱屈した気持ちでいた頃に萌々が出会ったのは、「ヒップホップ・ラップ教室」
作者のデビュー作?!すごい。信じられない!というくらい読みやすくて緩急があってテンポよく飽きさせない、人物描写も丁寧で何より、こういうことはリアルにありそうだと思えるお話でした。
この年代の子の悩みや人間関係、親との関係、何か打ち込めることを見つけて、そこで出会う親や先生とはまた違う大人、困難や挫折があってそれを乗り越える力、そして恋愛事情も少し絡めてあって……等々と、言葉で羅列してもボリュームがあってその全てを無理なく描き切るって難しいと思いますが、見事に描き切って綺麗に終わって、読後スッキリ、そしてほんのり幸せな気持ちになれる本でした。
沖縄というステージがまた良い味を出している気がします。読んでいる内に沖縄が舞台だということを忘れてしまいますが、時々そうだったと思い出しては、「なんくるないさ〜」とゆる〜い雰囲気を感じながら読んでしまいました(なんくるないさ〜は本文には一切出てきません)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ他人と自分を比較して美しくないかわいくないかっこよくないと自分を責めたり、ルッキズムに晒されて外見の指標ばかりを繕ったり、周りの顔色を伺って人と接することが子どもたちのなかで当たり前に蔓延してるのもう怖すぎるよ〜〜今を生きてる子どもたち大変すぎるお願いだから絶対に何よりも自分を大切にしてほしい
ラップに乗せて普段から思ってはいても言えないことを赤裸々にかますの聴いてるこっちがスッキリしたし、ずっと自分のキャラクターを演じてたももが大城萌々ありのままでみんなの前に立ってラップしたの希望すぎて泣きました わたしはもう十分大人ですがお守りみたいに大切にしたい本です
児童文学として称賛されている、つまりそれなりに今の学生生活にルッキズムが地獄として溶け込んでいるという事実に胸が締め付けられた -
Posted by ブクログ
あなたのその姿を愛せてる?理想的な見た目、痩せてて目鼻立ちが整ってて、その基準に当てはまらなければ、それは愛されるべきではない対象?笑われてイジられてもそれは仕方のないこと?
それでも性格は明るく気のいい私で「いてる」毎日。見た目の奴隷、レッテル、見た目で私は語られる?自分が課した役割でいるのは疲れてしまった所にヒップホップ・ラップに出会って「ラップは人生を変えるよ」と宣言される。
ラップって怖くてヤバそうな人達が早口で悪口を捲し立てるイメージ。でも知っていく内にラップって
自分のいつもは言えない事や言いたい知って欲しい自分の気持ちを、素直に言えるツールがラップなのではと気づく。
自分の姿から勝手に自分で形成した「私」の鎧を脱ぎ捨てて、本当の中身の自分。姿は私の入れ物、言葉を使って自分を高らかに宣言し、受け入れ、入れ物の自分も含めて全部を愛そうとする、そんな物語。
私って悪くない。そう思えることができる。
少女漫画の主人公のように世の中はそんな簡単に私を包み込んでくれる訳でないけど、でも意識を変えると今の私を変えられる。
ラップのイメージは、恐らくもうこの2026年にはないのかもしれない。
色んなアーティストがラップを通じて、世の中に叫んで、理解してほしい、こういう自分もいる、一人じゃない、ポジティブなラップも、ルッキズムに向き合い勇気をだしてと応援するラップもある。
そもそもラップの産まれた理由などもこの中で語られており、このカルチャーがただのオシャレじゃなく
本当の意味のラブアンドピースをこの先未来も誰かを救う為にあってほしい。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ
ではなく
言えない事を高らかに言っていくこの世の中に
愛と平和と尊敬を。 -
Posted by ブクログ
ネタバレぽっちゃりした見た目を気にして、つねに自虐的に振る舞っていた中学生の萌々。幼なじみからも「お前らしくない」と言われてしまうしまつ。
おしゃれできない自分、みんなに合わせてしまう自分。友達にも親にも本音をぶつけられない。
そんな時に派手なお姉さんからヒップホップのラップ教室に誘われる。自分とは違う世界と思っていたけど、たまたま聞いたアーティストに感動しその教室の扉を開くことに•••
すごく素直な文体で読みやすくて一気読みしてしまった。
ラップって私なんかの世代には特に全く流れていないノリで(もちろん大好きな人もいるだろうけど)カラオケしててもラップ部分はうまく歌えなくて口が回らなくて飛ばしてしまうw
だからどういう物かも分かってなかった。バトル?なんでバトル?
同じクラスの、ハーフであることで周りと壁を作っていた莉愛と仲良くなる過程はキラキラしていて、胸熱だった。もっともっと見ていたいシーンだった。
2人でラップに本音を乗せることで本当の自分、ルックスにこだわらない本当の自分を見つけていく姿も良かった。
ラップバトルっていうのは、もちろん技術を競う部分もあるだろうけど、心と心で本音をぶつけ合い、おい!お前はそんなもんじゃねーだろ!と煽ることでお互いを理解していく事なんだと知った。
教室内で起こるある事件のせいで一気にストーリーがすすみ、最後は何か熱いものが胸に込み上げた。
すごく良かった。
あー、映画化してくれないだろうか。