楊倩蓉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は何気なく買った中で、私の中では「大当たり」の本であった。現在や近い未来の状況に関する記載が多いが、案外その内容は古くならないのでは。
IQがめちゃくちゃ高い、もと台湾デジタル庁のオードリー・タンさん。彼女の考え方は高度かもしれないが、大変学ぶことが多かった。
特に印象に残るのは、「独学をする場合、孤独にならないように」という教え。オードリー氏こそ頭がめちゃくちゃいいので、一人で学んだりできそうだし、このような人が一人いれば社会が回るような気がするのだが、そのような意見を言うことが意外だった。
独学をする人ほど何らかのコミュニティに属したほうがいい。モチベーションも維持できるし、間違いにも気づくことができる。
研究会や勉強会というものは理にかなった仕組みだということだ。
オードリー氏の考え方の随所に「共同で何々をする」という思想が垣間見える。
もう一つ印象に残ったのは「目的をもって学びすぎるな」という考え方。「実学」ということも一方では流行っていて、特定の技術や技能が重視されがちだが、この変化が早い社会ですぐにテクノロジーは要らなくなってしまう。オードリー氏は、何らかの目的・用途に沿うように教育をすることは「人間を道具として扱うこと」として批判する。
教師も「学生を監督する」という役割に固執しないほうがよく、むしろその場でスマホで調べたりできるようにした方が集中力が増すというのがオードリー氏の意見だ。この点は反省。その他「間違っても大丈夫」という空気が重要で、生徒や子供が自主的に勉強するように仕向けることが重要である。
その他、集中力や睡眠のこと、子育てのこと等、結構内容は盛りだくさん。本書で引用された本は次々と注文して、順次読む。
第2章で、良質なSFは未来を予知しているので、SFを読みなさいとオードリー氏は述べるが、原作は内容がものすごく面白そうだ(すでに全部購入)。 -
Posted by ブクログ
⚠️ネタバレ、乱文注意
本書が一貫して伝えたいことは、個人で物事を捉えるのではなく、社会やコミュニティとして見ることが重要ということであり、経験や能力は所有するのでなく社会に対して解放して共有するべきと言うことでした。
IQ160であるオードリーは所謂”悟っている”状態であるなあと思いました。
競争社会や能力主義というのは要約すれば個人主義という枠組みに押し込まれるわけであって、それでは社会全体はまるで仕切られた個室同士の空間になり、そこに各々にアドバイザーとしてのAIがいて、それを盲信する社会になるという未来予想の警鐘を鳴らす作品でもあった。ひとつの教科書だけではなく複数の教科書がある社会、つまるところの”多様性”のある、”可能性”の多い社会を目指しましょうという話。 -
Posted by ブクログ
最近YouTubeでインタビューを受けられているのを拝見して興味を持ち読んでみました。
コロナ禍で「天才デジタル相」と注目を浴びていたこともあり、帯に書いてある「誰もが真似できる人生の質を高める方法」を「いや、誰でも、ってわけにはいかないのでは…」と懐疑的に思っていました。
読んでみると、オードリーさんの穏やかな雰囲気に触れられて、全てを真似するのは難しそうでも一つ一つずつなら実践できるかなぁとホッとしました。特に学ぶべきは実行力ですね。頭脳もすごいですが、実行力が素晴らしい。
最新の技術を扱われるのが、このように倫理的な方で良かったと思うこの頃です。 -
Posted by ブクログ
オードリー氏は、この世に正しい答えを知る者など誰もいない。誰もが自分にとっての正しい答えを持っていていいと若い時に悟った。同時に問題解決の責任を一個人に負わせないことの重要性を理解した。つまり、共創、協働を目指せばよい。
早くから死を意識していたオードリーはアイデアを共有するようになる。つまり、自分が死んだらアイデアも消える。今日のことは今日終わらせる習慣ができた。考えたことを吐き出してしまえば、もう怖くない。安心して寝られる。
分け合っても価値は消えない。
ネットワーク時代に知識の独占は不可能。答えは必ず共有される。
デバイス依存を感じたら25分毎に画面を閉じること。
また敢えてデバイスを触るときにタッチペンを使い、デバイスを体の一部とせず、使い過ぎを防ぐ。
時間を自分でコントロールすることで生活にゆとりができ、幸せになれる。規律は必要である。
リモートワーク時代では、人それぞれの時間の使い方を尊重すべき。
自分の心のマッサージをする。気分の変わること。心地よい体験を行う。
睡眠は大切。
リーダーは管理者ではない。グループに必要なのはコーディネート。これは水平方向の役割。
リーダーに求められるのは、体面にこだわらない柔軟さと折れない心。
リモートワークが選択肢にある以上、社員自らを管理させるしか、選択の余地はない。
知識の習得はオンライン。実務の習得はオフライン。
教育は勝ち負けではなく、受け入れること。
自分の時間の20%を使い、他のことをすれば、次の人生のステップになる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ彼女の思考・仕事・学習・未来観を軸にまとめられた一冊で、どの章も学びが多かった。
特に印象に残ったのは「知識や体系は一人で抱え込むのではなく、仲間と共創することで築かれる」という視点。競争より共創の姿勢は、今の時代に欠かせないものだと感じた。
また、SF小説からは未来を構想する思考、詩からは少ない言葉で多くを表すプログラミング的思考を学ぶという着眼点はユニークで刺激的だった。
さらに「リーダーは管理者ではなくコーディネーター。メンバーが主体的に意見を出せる環境を作ることが役割」という考え方にも共感した。
教育観については、日本のゆとり教育に似た側面も感じつつ、主体性をどう育てるかという示唆に富む内容だった。
多くの気づきを与えてくれる、問いの多い一冊 -
Posted by ブクログ
語り下ろしですが,彼女の思想体系が垣間見える。ギフテッドならではの苦悩と,それを救ったインターネット上のコミュニティ。「共好」(「共同で仕事をする」という意味のネイティブアメリカンの"Gung Ho"の中国語訳。)がキーワードか。競争よりも共創。
スラッシュワーカーの時代にこそ,ひとつのテーマを徹底的に追求することに価値が出る。「数年も経てば,職業や肩書きではなく,探求するテーマそのものがアイデンティティになる時代が来ると考えられる。」
「役に立たない人」になるために学ぶ,というのは,平井先生の言っていた,「知識は陳腐化する」という金言と通じるものがある。
「人が「モノ」のように扱われ,特定の機能のみで判断される場面は多い。その機能が時代の変化によって淘汰されたり,自動化されたりすれば,大きな挫折を味わうことになる。学びの動機が自分のなかから湧き上がる興味ではなく,外から押しつけられたものだからだ。」
Q 人類の未来はどうなると思いますか?
A SF小説を読みましょう。 -
Posted by ブクログ
コロナ禍のマスク不足の折、在庫管理アプリを開発した台湾のデジタル担当大臣というニュースで彼女を知った。
当時観たいくつかのインタビューを通じて、天才、という印象を持っていた。
そんなオードリーの思考法、仕事法を紹介している本著は、天才の頭の中を覗かせてもらっているようで、興味深く読みやすかった。
自分にとっては新鮮、斬新な考え方が多く、刺激になった。
特に印象的だったのは以下3つ。意識していきたい。
1.大人になって他人と自分を比べることがなくなった理由
このめぐるましく変化する社会の中で、絶対的な正解は存在しない。
1つの正解を一部の権力者や能力保持者が導きだすのではなく、みんなで協力してピースを持ち寄りパズルを解いていくように問題に対処する方が時代の流れに合っている。そこでは自分が誰かより劣っているかどうかよりも、その問題に対してどう対処すべきか、だれがどの部分に向いているのかを考えることが必要になってくる。
また、ピグマリオン効果。指示者に従うのみの縦割り組織でなく横並びの組織の方が、自分はどんな役割なのか、どう動くのが全体にとって得策なのか、メンバーに主体性を持たせることが可能になる。
リモートワークで離れた場所でそれぞれ働くことが可能になった現在は、組織を管理しやすいという点も頷けた。
お互いの能力を認め合い、協力して問題を解決していく。
そこには世界へ貢献している達成感、肯定されている満足感がある。
他人と力を比べて得る喜びよりも、競争よりも共創して得る喜びを、彼女は得たのだ。
2.時間の主人になる
自分の時間の主人は私。
そりゃろうだろと思っていたけれど、スマホを無意味に弄っている時間や突然のメールへの対応など、時間がコントロール出来ず溶けていくことは確かによく起こる。
彼女はポモドーロ・テクニックや食材配達サービスなどを使って時間のメリハリをつけていたが、言及されている中で一番残ったのは「まずは自分を知ること」。
オンオフ切り替えに時間がいるタイプなのであれば、それを助けてくれる勤務スタイルにしたり、アプリを使う。
「自分の感情・認識・注意力のバランスを把握し、自分にもっともなじむ方法を見つけ出す」
時短とかタイパの良さとか、つい頓服に目が向いてしまうが、まずは自分がどんな状態の時に調子よく日々のタスクをこなせるのか、イレギュラーに対応できるのかを、日々の暮らしから見つめなおしたい。
3.学習するための本の読み方
まずはすべて肯定して受け入れて読むこと。
知識の吸収を目的としている読書では、まずはいったんすべてインプットする。いちいち批判していたら時間がかかってしまい非効率だし、自分の考えが凝り固まる原因になる。 -
Posted by ブクログ
オードリー氏=巻き込み力ですかね。
当然アイデア力も凄いのだが、組織で動かすとの意識が強い。
◉新しいものをつくる目的は、後世の人がより簡単に新しいものを生み出せるようにすること。完璧なもので、創造の芽をつむこと×
◉結果は一緒でも、意識するか否かの違い。呼吸のように。それで主導権が変わる。
◉人類の習慣に合わせてAIを改善する。人類がAIの都合に合わせる×AIに弾かれたものを全否定することは誤り。
◉才能を分かち合うことで世界を見せる者、自分が生み出したものを素材として他人に提供できる者が天才。
◉重要なのは結果よりも過程の共有。
◉時間の主導権を握る。
◉人にはそれぞれの時間配分。互いのペースを尊重。
◉眠る前に知識系の文書を読むことで、睡眠で定着。
◉読みながらの反論は控える。
◉命令するほど、自ら何かを生み出す力が弱まる。
◉大まかな合意に至る前に共通の経験を持つこと。
→確かに大事だと思う。経験に勝ることはなくて、経験者だけが熱を帯びて他の者になかなか伝染しないケースある。
◉ふさわしい技術を選ぶのは末端の両者であり、中間にいる者ではない。