加地大介のレビュー一覧

  • なぜ鏡は左右だけ反転させるのかー空間と時間から考える哲学

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    科学(自然科学)の本かと思ったら哲学書だった。個人的には「鏡が反転させるのは左右ではなく前後」という理解をしていたが、本書ではそこに止まらず、さらに踏み込んで考察している。そしてその領域は科学というよりも哲学なのだというのが分かりやすく解説されている良書だった。後半の「なぜ私たちは過去に行けないのか」も同様の考察をしているが、こちらは分かったようなわからないような話だった。

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    2024年08月12日
  • なぜ鏡は左右だけ反転させるのかー空間と時間から考える哲学

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    「なぜ鏡は左右だけ反転させるのか」、「なぜ私たちは過去へ行けないのか」という身近な2つの疑問について、哲学的に考察。半ば独白調、似非私小説風の叙述形式により、著者の哲学する頭の中を追体験できるようなスタイルとなっている。
    1つ目の「なぜ鏡は左右だけ反転させるのか」については、あまりテーマに興味が持てず、流し読みみたいな感じになってしまったが、これまでの説や著者の主張についてはなんとなく理解することができた。
    2つ目の「なぜ私たちは過去へ行けないのか」については、その題材となった「ターミネーター2」が好きな映画だったこともあり、興味深く読み進めることができ、存在論的様相に着目した考察も自分の考え

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    2025年08月17日
  • なぜ鏡は左右だけ反転させるのかー空間と時間から考える哲学

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    2003年に初版が出てからの20年後の改訂版である。注やあとがきで初版からどのように改訂されているかが丁寧にかかれている。また埼玉大学での哲学の入門の授業であるために、初学者でも読みやすくなっている。教員養成系大学の学生も教師の教養として哲学は必須であるので、西洋の哲学者の歴史を学ぶよりはこうした哲学書を読むことがよい。鏡の左右反転が前半でターミネーターが後半であり、学生にとってもなじみやすいと思われる。

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    2024年09月22日
  • なぜ鏡は左右だけ反転させるのかー空間と時間から考える哲学

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    ネタバレ

    本書のタイトルになっている命題について考えた時、人間の両目が左右に並んで付いているからかな? と私も著者と同じことをまず直感的に思ったが、もちろんそんな単純な話で終わるわけはなく、しっかりと納得がいくように理屈で説明してくれる。
    ただ個人的には、紹介されているネッド・ブロックの主張から演繹できる理屈によって充分腑に落ち、そのあとに続くデカルト座標を用いた解説等よりも、大多数の人にとってはイメージすることが容易なのではないかな…と感じた。
    回転軸云々についても、後半に展開される説明は実に難解。
    "パリティ対称性の破れ"については初めて知り、勉強になった。

    タイムトラヴェルに

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    2024年08月01日