川端美季のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
不思議なタイトル。
まず風呂の習慣について、、、我が家も毎晩風呂に入ってる。当たり前と思ってる。
日本における風呂の歴史を新書はとうとうと語る。
へえ、江戸時代途中まではつかる風呂は習慣でも何でもなかったんだ、、蒸し風呂?
江戸時代の風呂というと、男女混浴の銭湯、ときには行為に及ぶ人も、、
なんてイメージだったが、そんなことはなかったような。
裸が恥ずかしい、というのは西洋の文化。日本はなんでもなかったようで。
「湯屋」という名称。
西洋に追い付け追い越せの明治政府下で湯屋、銭湯が大きく変わる。
西洋倫理の影響で男女混浴を辞めさせたのは序の口で、
衛生面から銭湯の普及が始まった。
逆に言う -
Posted by ブクログ
▼今われわれが歴史的な常識だと思っているものごとが、実は意外と歴史的には浅い事物である、ということはしばしばあります。だから歴史教育はむつかしいし、ときの権力者の意のままになりやすいってことなんですが。
▼日本人が風呂好きで清潔好き、というのは、実は遠い遠い昔からの「民族性」……なんかではなくて。せいぜい19世紀半ば以降の、「西洋のルールに従って、そのルールの中で高等民族にならないと、見下されるし、植民地扱いされてしまうぜ」という大きな日本史の需要の中で作られたものなんじゃないのかな?・・・
という問題提起を豊富な資料で解説する一冊。
▼それなりの説得力がありつつ、それですべては解説しき -
Posted by ブクログ
近代の日本社会で、入浴の習慣がどう意味づけられていくか。
それをたくさんの資料から追跡した著者の研究を紹介したのが本書だ。
「はじめに」に書かれた著者のエピソードに共感した。
子どもの頃、お風呂に入るのが面倒だったり、自分の「入りたいタイミング」じゃないのにせかされたり…という経験は、自分にも思い当たるところがある。
とすれば、自分の親、あるいはその親たちにも、明治以降に醸成された衛生思想が流れ込んでいたからだ―と、とりあえず言えるかな。
うちなんかだと、なんとなく経済観念から言っていたのかもしれない気もするが。
それはともかく。入浴の習慣と書いてしまったが、入浴の装置たる銭湯の「風呂」の -
Posted by ブクログ
ネタバレ風呂と愛国
「清潔な国民」はいかに生まれたか
著者:川端美季
発行:2024年10月10日
NHK出版(NHK出版新書729)
著者は立命館大学生存学研究所特別招聘准教授で、専門が公衆衛生史。
一般的に信じられている日本人は清潔好きという傾向が、どういう思想から強まっていったのか。国家権力側がどのようにそう啓蒙していったのか。そこには日本人としての愛国心をくすぐるような言い回しもあったようである。
欧米との比較をしつつ、日本の入浴習慣の成立を見ていく。そこには、宗教観や国家観なども入り、国家権力側がうまく利用している姿も見えてくる。日本人は西洋人と違って毎日入浴する習慣があることを、優