南部和也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作は絵本と読み物の中間だったが、本作は完全に読み物になっている。これが読めればどんな本でも読めると思う。物語はトムがアフリカからの招待に応じてに冒険に行く話だが、ところどころでR・S・ガネットの「エルマーのぼうけん」を思い出してしまう。おそらく作者はあの傑作のエッセンスを盛り込みながら、ネコが活躍するストーリーを創造したのだろう。動物たちの愛らしい描写やその特徴を生かした活躍ぶりは両作の共通した見せ場だ。大きな違いは、この作品では人に関するサイドストーリーが多く盛り込まれている点だ。銀行家が秘密を守れない話やランスさんの離婚と再婚のエピソードなどだ。やや大人びたトピックスをいれて、子供っぽさを払拭しようとしたふしが見受けられるが、ここが評価の分かれるところだ。それらのパートでストーリーのスピード感が失われている気がする。前作でも人は描かれていたが、あくまでもトムを通してだった。今作はトム不在の場面も結構多く、トムの活躍を期待している読者としては少々残念だった。ともあれ、子供が読書を楽しいものと感じられる貴重な本だと思うので、永く読み継がれてほしい。