ダルトン・トランボのレビュー一覧

  • 〔新訳〕 ジョニーは戦場へ行った

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    戦争がもたらす悲劇。主人公ジョニーは、生活を戦争に奪われてしまう。なぜ戦争が繰り返されるのかを考えさせられた。戦争の背後には、個人の幸福よりも利益や権力を優先する人々がいることを思わせられる。戦争の構造を見つめ直したいと思わせてくれる。

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    2024年12月27日
  • 〔新訳〕 ジョニーは戦場へ行った

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    先日、市川崑監督の『野火』と合わせてダルトン・トランボ監督の『ジョニーは戦場へ行った』が4Kリバイバル上映が行われており行ってきた。
    映画は昔、DVDで観たときよりも遥かに画質が良く感じるレストアがされていて驚いた。そしていつの間にか小説も新訳が角川の新書判で出ており、このタイミングで改めて手に取ってみることに。

    旧版はもう読んだという記憶くらいしか残っていないため比較は出来ない。だが自分の記憶では大分読みにくかった覚えがある。それに比べるとこの新訳はだいぶ読みやすくなっていた。
    この箇所は全然覚えてなかったのだが、2つの章のどちらも終わりに近づくに連れてジョニーの内面がどんどん先鋭化して平

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    2025年09月11日
  • 〔新訳〕 ジョニーは戦場へ行った

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    ネタバレ

    読み始めたのは、8月の戦争特集としてこの映画版が上映されるけど、映像として2時間近く見切る肝がないと思って文章ならまだいいかと判断したからだった。

    でも結局のところ、この原作は文章だからこその精巧さと訴求力の高さがある気がした。反戦と一口に言っても、ジョニーのような近代戦の犠牲者にローマ帝国から語らせる。人が人を虐げるということ。

    皮肉や風刺だけでない肉薄ぶりの背景には、赤狩りの只中を意志を曲げずに生きたトランボ自身の屈強さもある。これが映画化された時はさらにベトナム戦争の最中で、このジョニーの生々しい叫びはまさにリアルだっただろう。

    パレスチナ戦線での飢餓を強いる悲惨さを目の当たりにし

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    2025年07月31日
  • 〔新訳〕 ジョニーは戦場へ行った

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     終戦80周年企画として、映画版の本作が4Kリバイバル上映されることになり興味が湧いたので映画を観る前に原作である小説の方も目を通しておこうと思い、この本を手に取りました。
    すでに映画版も観てからの投稿になるのですが、小説版でしか感じ取れない底のない恐怖がこの本にはあったと思います。

     「意識のある戦死体」というトリッキーな設定により、本来話すことの出来ない死人からの叫びを用いた反戦メッセージの主張を実現させることによって死へのリアルな恐怖と生にたいする渇望が読者にのしかかってくるようなインパクトがありました。

     四肢断裂かつ触覚以外の感覚器官を失ったジョーはいま現実を見てるのか?思い出に

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    2025年08月04日