宮崎徹のレビュー一覧

  • 猫が30歳まで生きる日 ー治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    Posted by ブクログ

    私の読後感としては、宮崎徹という優れた研究者の自伝的研究史といった印象の本である。とても面白かった。

    本書の内容は「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」という分子を著者が発見し、それを実際の医療に活かすための研究の過程をまとめたものである。ネコの腎臓病の治療やAIMの研究状況等が紹介されているが、このAIMを病気の治療に活用できる最初のケースがネコの腎臓病であったことから、このタイトルとなった。テンポ良くストーリーが展開されていく中で、著者の真摯で情熱的な研究姿勢が窺われ、周囲の人たちに応援される人柄であることが伝わってくる。

    著者はヒトの病気を治

    0
    2022年02月02日
  • 猫が30歳まで生きる日 ー治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    Posted by ブクログ

    ヒトにとってもネコにとっても、腎臓病が〈治せない病気〉でなくなる日が来るのかもしれない。血液中のタンパク質「AIM ( Apoptosis Inhibitor of Macrophage )」による治療により、その可能性が見えてきた。猫が好きな人にはとても喜ばしい話だろう。コロナ禍で研究開発が難しくなっているが、実用化してほしい研究だ。

    0
    2021年12月29日
  • 猫が30歳まで生きる日 ー治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    Posted by ブクログ

    猫の腎臓病はもとより、人間の腎臓病やアルツハイマーなどの予防薬や治療薬になる可能性を秘めているAIM。
    開発に投資してくれるところが出てくるといいのだけれど。

    0
    2021年11月08日
  • 猫が30歳まで生きる日 ー治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    Posted by ブクログ

    うちのねこも着実に年をとってしまう。
    治せなかった病気が治せるようになるというのは不思議な感じがする。

    0
    2021年09月09日
  • 猫が30歳まで生きる日 ー治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    Posted by ブクログ

    猫と暮らす人なら、いつか気になる"腎臓病"、"AIM"という言葉。某ペットフードで知った宮崎先生の本だったので読んでみました。

    元々、ヒトの専門で医者を目指す過程で人間の《治せない病気》に着目し、免疫細胞を研究する研究者になる。"ネコのために"という出発点ではなく、ヒトの腎臓病を研究する途中でたまたまAIMという体内掃除をしてくれるたんぱく質を発見し、人と他の動物を比較したらネコだけAIM数値が観測できなかったという。

    学会で、小話として『ネコにはAIMがない』というデータを話したら、たまたま参加していた獣医師と話が広がり、ネコの

    0
    2025年09月23日
  • 猫が30歳まで生きる日 ー治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    猫が30歳まで生きる日
    治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    著者:宮崎徹
    発行:2021年8月12日
    時事通信出版局

    知らなかったが、猫の多くは腎臓病で死ぬらしい。この本は獣医が書いたのではなく、医師で医学者(東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター分子病態医科学教授)が著者。著者がスイスのバーゼル免疫学研究所の正規研究員をしている際、偶然見つけたAIMというタンパク質が、肝臓病、がん、肥満など多くの病気治療に使える可能性がある、とりわけ腎臓病治療にとても有効であることが分かってきた。そこで、腎臓病になることが非常に多い猫に使ってみたところ見事成功、人への薬開発の研

    0
    2021年11月16日
  • 猫が30歳まで生きる日 ー治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ネコ好き、ネコ飼いとしては読んでおくべき一冊かと手に取ってみた。

     AIMという、これまで、その機能を知られていなかった体内タンパク質の研究と成果の物語。タイトルにもなっているように、腎臓疾患によって命を落とすことの多いネコに対し、その機能とメカニズムの解明によって、腎臓病に効果のある薬、サプリを開発しようという筋立ての本書。

     ではあるが、前半、著者がその謎を追って、海外でその研究に没頭できる機会に恵まれ成果を挙げるクダリが、先行投資の苦手な、リスクを取らない保守的な日本社会を揶揄していて興味深い。

    「もし日本で研究していたら、間違いなく研究費が取れず、早々にAIMの研究から撤退しな

    0
    2021年09月27日