宮崎徹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私の読後感としては、宮崎徹という優れた研究者の自伝的研究史といった印象の本である。とても面白かった。
本書の内容は「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」という分子を著者が発見し、それを実際の医療に活かすための研究の過程をまとめたものである。ネコの腎臓病の治療やAIMの研究状況等が紹介されているが、このAIMを病気の治療に活用できる最初のケースがネコの腎臓病であったことから、このタイトルとなった。テンポ良くストーリーが展開されていく中で、著者の真摯で情熱的な研究姿勢が窺われ、周囲の人たちに応援される人柄であることが伝わってくる。
著者はヒトの病気を治 -
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ネタバレ猫が30歳まで生きる日
治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見
著者:宮崎徹
発行:2021年8月12日
時事通信出版局
知らなかったが、猫の多くは腎臓病で死ぬらしい。この本は獣医が書いたのではなく、医師で医学者(東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター分子病態医科学教授)が著者。著者がスイスのバーゼル免疫学研究所の正規研究員をしている際、偶然見つけたAIMというタンパク質が、肝臓病、がん、肥満など多くの病気治療に使える可能性がある、とりわけ腎臓病治療にとても有効であることが分かってきた。そこで、腎臓病になることが非常に多い猫に使ってみたところ見事成功、人への薬開発の研 -
Posted by ブクログ
ネタバレネコ好き、ネコ飼いとしては読んでおくべき一冊かと手に取ってみた。
AIMという、これまで、その機能を知られていなかった体内タンパク質の研究と成果の物語。タイトルにもなっているように、腎臓疾患によって命を落とすことの多いネコに対し、その機能とメカニズムの解明によって、腎臓病に効果のある薬、サプリを開発しようという筋立ての本書。
ではあるが、前半、著者がその謎を追って、海外でその研究に没頭できる機会に恵まれ成果を挙げるクダリが、先行投資の苦手な、リスクを取らない保守的な日本社会を揶揄していて興味深い。
「もし日本で研究していたら、間違いなく研究費が取れず、早々にAIMの研究から撤退しな