藤高和輝のレビュー一覧

  • あなたのフェミはどこから?

    Posted by ブクログ

    19人各人のフェミニズムがどこから始まったのかを綴ったリレーエッセイ。

    フェミニズムが様々な差別を社会構造の問題として認識しているということを初めて知って、目からウロコの気分。

    女性と男性、マジョリティとマイノリティ、そんな対立構造や、個人としての問題と考えていたが、この本で見方が変わった。

    これまで味わった対応に理不尽だと感じても言語化できていなかったものが、フェミニズムという言葉を理解したことによって言語化できた。

    時代が変われば立場も変わる。
    誰であれ、自分が他者の権利を不当に奪っていないか?を考え続ける必要があると思う。

    もっとフェミニズムについて知りたいと思った。

    0
    2025年11月06日
  • あなたのフェミはどこから?

    Posted by ブクログ

    様々な分野の19人のフェミニストによるエッセイ。自分がフェミニズムに目覚めたきっかけについて語っています。

    はっきりとコレ!というきっかけがあるひともいれば、子どもの頃からなんとなく世界に違和感があった…という人まで、きっかけは様々だ。

    自分には理解が及ばないような苦しみからフェミニズムに辿り着いた方もいれば、自分の感覚と近くて分かる分かる!と思いながら読んだ方もいるのですが、鴻巣麻里香さんのエッセイは特に自分の感覚を言語化してくれたような感覚になりました。
    若いときは「女性として抑圧を受けているという文脈が内面化されていなかった」という鴻上さんが、子どもを産んで仕事をしているときに、子育てに専念したらどうかと諭されて、これって私が「女だから」言われたのだと、男性優位主義の現実に気づいたとき「それは生まれてはじめて眼鏡をかけたときの感覚に似ていた。こんなによく見える!という驚きに勝る「今までほとんど見えていなかった」ことに気づいた衝撃」と書いていますが、自分自身の経験とも重なりました。

    バックラッシュもあるし、一部のフェミニストたちがトランス差別をしていたり、落ち込むことも多いですが、フェミニズムは社会を良くするものだと信じていますし、同じように思っている人たちがこんなに沢山いることが心強い。

    0
    2025年09月18日
  • あなたのフェミはどこから?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自分の無意識さ、に気付かされた本だった。無意識とも言えるし、考えてもどうせ何も変わらないし、と諦めというか、考えようともしていなかったんなあと。フェミニズムって女性の不平等をなくそうっていうことだろうという浅い知識だけだったけれど、そうではなく、男性やあらゆるマイノリティの人も含め全ての社会の問題なんだなあと思った。男とか女とか、いろんなラベリングで人を評価したり判断せずに、ただの人間、として個人が見られる社会だったらいちばんいいけど。果たして自分はそれが出来ているか?他人を色んな物差しで測っていないか?偏見はないか?と問われたら自信がない。でもちょっと意識を持つだけでも、それだけで何か変わる気がする。

    0
    2025年08月23日
  • あなたのフェミはどこから?

    Posted by ブクログ

    自分がいかに男性優位性や家父長制を内面化してしまっているか痛感するし、違和感がある時に無理に合わせたりしない、を実践できるようになりたいと思うばかり。まだ名乗れるほど理解できていないし、世間的には「強者女性」側になりうる自覚も忘れてはならない。

    0
    2025年08月03日
  • バトラー入門

    Posted by ブクログ

    フェミニズム/ジェンダー理論家であるジュディス・バトラーとその著作『ジェンダー・トラブル』(1990年)についての解説本。
    SNSで面白いと言ってる人がいたので読んでみたが、この分野は全く予備知識がなく、用語や文脈を含めて、読むのにかなり苦労した。(Wikipediaなどを適宜参照しながら読んだ)
    なお、著者曰く「非公式ファンブック」とのことで、この分野の入門書という訳ではない。

    内容を要約すると、
    『ジェンダー・トラブル』は、今ではジェンダー論の古典として認識されている。でも、元々はフェミニズム文脈の本。当時のフェミニズムにおいて「女性」という枠に捉えられていなかったレズビアンをはじめとする性的マイノリティも、きちんと考えないといけないよ、というフェミニズム内での問題提起として書かれた。当時の時代背景や、同時代のフェミニズム論者の主張を織り交ぜつつ、『ジェンダー・トラブル』の成り立ちや、誤解されがちな点を解きほぐしている。
     
    門外漢なので内容の良し悪しを論じることはできないけど、いろんな疑問が湧いてきて、良い意味で刺激があった。あと、著者のバトラーとその思想に対する愛は、確かに感じた。

    ただし、文体は基本「である」調なのに、唐突に「〜なんだ。」みたいな口語調の文が挟まれるのには、最後まで慣れなかった。これに関しては、違和感しかなかった。

    感想は以上。以下は蛇足。

    ----------
    この分野の本を今後読むかは分からないけど、その時のために、以下、個人的なメモを残しておく。

    ●用語がわからない
    知識がない中で読み終えた感想としては、用語にピンと来なくて入りづらいというのが、第一印象。本書で扱うフェミニズム自体が欧米の社会運動の輸入なので、日本では社会背景から違っているし、用語は日本に合うようにした方がいいと感じる。

    例えば、ブッチ/フェム(男性的なレズビアン/女性的なレズビアン)、ヘテロセクシャル(異性愛者)、ホモフォビア(同性愛嫌悪)など、日本語でも通じる言葉があるのに、わざわざ分かりにくい英語を使ってるのは、一般人の理解のハードルを上げているように思える。
    逆に「家父長制」なんかは、日本語訳に失敗していると思う。家父長制という言葉で思い出すのって、サザエさんで波平が食卓の中心に座ってご飯を配膳されたりビールを注がれたり、みたいなイメージになる。でもフェミニズムにおいては、社会全般のあらゆる男性特権を総称する言葉らしい。
    うーん、この用語で本当に議論が噛み合うのか?

    ●クィア理論
    あと、用語でいうと「クィア理論」。理論というからには、現状の何かを説明するための体系であり、インプットがあるとアウトプットとして何かしらの予測を出すものだろう。(相対性理論を使うと、天体の軌道を説明/予測できるみたいな。)でも、本書を読んでも、ネットを検索(軽くだけど)しても、クィア理論が何を説明していて、何を予測できるのか、初心者に分かる説明は見つけられなかった。
    まあ、自然科学とは違うのかもしれないが、思想なのか理論なのか、もう少し明確にならないものか、と思ってしまう。現時点で判断は保留だけど、何となく理論というより、思想の集合体を表しているように思える。

    ●ジェンダー論の方向性
    本書でも書かれているとおり、フェミニズムの基盤としての「女たち」が多種多様なので括れない、という指摘はそうなのかもしれない。でも、それを推し進めて、あらゆる人の権利を守ろうと手を広げていくと、一人一理論みたいになってしまい、収集つかなくなるように思える。(現にLGBTは後ろにどんどん追加されてるし、ジェンダーレストイレやトランス選手のオリンピック参加みたいなのは、フェミニズムとガッツリぶつかっている)
    だから、今後必要になるのは、広がったジェンダー論を集約していく理論なのでは?という気がした。(門外漢の霊感なので、根拠はない。)

    ●個人的な意見
    個人的な認識としては、近代までのあらゆる社会で男性優位(に見える)の構造が形成されてきたのだとしたら、そこには何らかの必然性がある(あった)のだと考えられる。それが現代に至り、社会が豊かになることで必然ではなくなり、誰もが自由に生きられる可能性が開かれてきた。それ自体は良いことだと思う。

    ただ、多様性の無限のパターンを社会が包摂しようとすると、莫大なコストとなる。このままジェンダーを広げる方向では、いずれ社会がそれを支えきれなくなる。今、社会で起きている軋轢は、その端緒に過ぎない。
    だから、ジェンダーを広げることについて、逆に収集をつける方向の理論が必要とされているのでは?という感じ。(門外漢なので、的外れかも知らんけど。)

    0
    2024年09月24日
  • バトラー入門

    Posted by ブクログ

    イベントにも行ったし注目してた一冊。
    フーコーやヘーゲルといった男性哲学者を援用しての解説書ではなく、あくまでも『ジェンダー・トラブル』と同時代に生きた人々が置かれていた社会的環境・歴史に重きを置いて書いていた印象。
    ところどころラップっぽいが、この文体個人的にはバトラーの魅力を損なわせる感じがして好みではなかった。
    パロディ概念があらゆるジェンダーに適用され、自分のジェンダーを真正に生きる人々からは批判されてしまうことや、『ジェンダー・トラブル』は二元体の超越ではなく、二元論が意味をなさなくなるくらいまでジェンダーを増殖させ、撹乱することを目的としていることとかは、パッと読んだら勘違いすることなのでいい確認になった。また理解不能な存在が抑圧されるのでなく非現実化されることなんかも、フーコーとは少し違った形で抑圧理論批判をしていてふむふむと。

    とにかくトラブルを共鳴させることなんだけど、そこでのお作法がこれからの左翼の課題かなとも思います。

    0
    2024年08月07日