社会をよくする投資入門:経済的リターンと社会的インパクトの両立
著:鎌田恭幸
お金を増やすことと、「社会をよくする」ことは両立する。
「社会をよくする投資」とは、社会そのものに新たな価値が生まれるお金の流れを意味する。「人」の困りごとや、経済成長を追い求めるなかで生じた社会の歪みを解決することで新たな経済領域を生む。経済ファーストではなく人ファーストであり、その結果として、社会全体の経済価値が高まる。
投資にも多様性や個性があっていい。なぜなら、投資は本来お金を増やすだけではなく、多くのつながりを生み、いい社会、いい未来をつくり、心の豊かさを育むものでもある。
本書の構成は以下の7章から成る。
①社会をよくする投資とは何か
②リターンの大元は「事業」である
③経済の海と金融クジラ
④欲望が集まる金融市場の構造
⑤投資の新しい選択肢
⑥社会をよくする投資の実践
⑦投資の先にどんな10年後を描くか
社会を変えよう・良く使用と立ち向かう起業家の方の本気度は凄まじい。そして、その起業家達を応援している著者の本気度も凄まじい。投資にも目的があり、色がありどれが良い悪いということはなく、投資家たちの考えに応じた多様な選択肢があった方が良い。
リスクとリターンのようなマネーゲーム的な要素だけではなく、今とこれからの新しい考えを見据えた新たな軸の提供と価値への向き合い方が投資を通じて学び貢献していくことができる。
SDGsを始めとして、今まではやもすれば綺麗ごとと揶揄されかねない概念も浸透し、ひとつの投資のみならず、世界を大きく動かすうねりとなっている。
経済的リターンと社会的インパクトは反対にあるものでも、トレードオフの関係にあるものでもない。本書にあるように両立を叶えることもでき、両立できなければ、中長期的な価値を見出し続けることもできないとも言える。
小さな課題から大きな課題、資金の大小に関係なく、自身が出来ることをやるかやらないかで未来は大きく変わる。