小林久隆のレビュー一覧
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画期的ながんの治療法である光免疫療法についての解説とその現象の発見から治療法としての開発過程をまとめた本だが、小林久隆の研究者としての発想の素晴らしさと心意気がライターの芦澤健介の筆力でユニークな読み物となっている.これまでのがん治療法は、外科療法、放射線療法、化学療法、がん免疫療法があるが、対象とするがん細胞の根絶はできても、周囲の健全な細胞にもダメージを与えるという欠点はどうしようもないと認識されていた.光免疫療法はミサイル療法と例えられるようにがん細胞だけを消滅させる.がん細胞は正常細胞のコピーミスから突然変異で生まれるもので、人間の体の中では1日に5000~1万個のがん細胞が生まれてい
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光免疫療法が実際に多くのがん患者さんに対して用いられるのはいつになるのだろうか。一刻も早くこの希望に満ちた方法が低価格で提供されるといいなぁと強く願う。
まわりの正常細胞を壊すことがないので、副作用が抑えられ、また免疫細胞の活性を残したままであることから免疫系を使ってがん細胞を殺すこともできる。
抗体につけておく薬剤はもともと無毒であり、近赤外を照射することで構造が変化し確か疎水性となり、それを包み込むように抗体がじわじわと移動することで、癌細胞の細胞膜を破断、そこに体内の水がどんどん入り込み細胞を膨張させることで物理的に壊すという仕組み。
放射線を使わないという点で画期的である光免疫療法だが -
Posted by ブクログ
外科手術、放射線治療、化学療法、がん免疫療法に次ぐ、第5のがん治療法となる光免疫療法と、その開発者である小林久隆博士を紹介した本。
学術入門書というよりはよくあるプロジェクト紹介のビジネス書に構成は近く、スポンサーとなった三木谷楽天会長との出会いや、小林博士自身の生い立ちにかなりの分量が割かれている。
光免疫療法とは、がん細胞特有のたんぱく質(抗原/腫瘍マーカー)に結合する物質(抗体)と、近赤外線を照射したときに切断・変形するIR700という人工色素を使い、抗体とIR700を結合させたものをがん細胞と結合させ、近赤外線照射によりIR700が切断・変形する際にがん細胞の細胞膜、ひいては細胞そ