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Posted by ブクログ
光免疫療法が実際に多くのがん患者さんに対して用いられるのはいつになるのだろうか。一刻も早くこの希望に満ちた方法が低価格で提供されるといいなぁと強く願う。
まわりの正常細胞を壊すことがないので、副作用が抑えられ、また免疫細胞の活性を残したままであることから免疫系を使ってがん細胞を殺すこともできる。
抗体につけておく薬剤はもともと無毒であり、近赤外を照射することで構造が変化し確か疎水性となり、それを包み込むように抗体がじわじわと移動することで、癌細胞の細胞膜を破断、そこに体内の水がどんどん入り込み細胞を膨張させることで物理的に壊すという仕組み。
放射線を使わないという点で画期的である光免疫療法だが、わたしにとって同じくらい重要なポイントは生物学的にではなく物理的に細胞を壊すという点である。
この本では小林久隆先生の化学に対する考え方も知ることができ、大学で化学を専攻する私にとって非常にためになる本だった。
光免疫療法についてこれからも注目していきたい。